政治
Posted on 2023年11月14日 05:59

「尖閣諸島に中国が海上ブイ」をめぐる女性閣僚2人の激突と「ポスト岸田」バトル勃発

2023年11月14日 05:59

 沖縄県尖閣諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)に中国が設置したブイについて、岸田政権で閣内不一致が起きている。上川陽子外相は国連海洋法条約など国際法に関連規定がないとして、撤去に慎重姿勢を示したのに対し、高市早苗経済安全保障担当相は「日本が撤去しても違法ではない」との見解を示したからだ。

 高市氏は10月28日、自身のYouTube番組で、中国の海上ブイについて「本来なら(日本が)撤去すべき」とし「放置はできない」と強調した。11月3日夕にはXへの投稿で「(中国のブイ設置は)『国連海洋法条約』違反ですが、同条約には『撤去』に関する規定がなく、今も外務省が中国に撤去を要請中。規定がないなら日本が撤去しても違法ではないと思うが…」と発信した。

「この2人の意見対立は、ブイをめぐる対応だけでない。『ポスト岸田』も絡んでいる」

 と明かすのは、さる閣僚経験者だ。

 高市氏は2021年の自民党総裁選で、岸田文雄総理と争った。10月3日のBSフジ「プライムニュース」に出演した際、来年9月の自民党総裁選について、担当相として「セキュリティー・クリアランス(安全保障上の機密を扱う人の適格性評価)を仕上げさせていただいた後に」と前置きした上で「また戦わせていただく」と述べ、事実上の立候補表明を行っている。

 一方の上川氏は岸田派の一員として政権を支える立場だが、岸田総理の支持率がこのまま低迷を続け、総裁選出馬断念に追い込まれた場合には、後継候補に名乗り出るのではないか、との観測が出ている。上川氏を外相に起用することは、岸田総理の後ろ盾である麻生太郎副総裁も推していた。

 2021年の総裁選では、安倍晋三元総理が高市氏を支援したが、安倍氏が暗殺された後、高市氏を取り巻く状況は厳しくなった。対して上川氏は麻生氏だけでなく、岸田総理とは距離を置く菅義偉前総理とも関係が良好であり、いったん出馬に踏み切れば、一気に「女性初の宰相」という流れができるかもしれない。先の閣僚経験者は、

「高市氏としてもブイ撤去を主張することで、中国に配慮する上川氏との立場の違いをアピールする意味合いがあったのだろう」

 岸田総理の求心力が急激に低下する中で、「ポスト岸田」に向けた女性政治家たちの動きが活発化しそうである。

(喜多長夫/政治ジャーナリスト)

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