2024年4月からトラックドライバーの残業が年間で960時間に制限される。
いわゆる「物流の2024年問題」が及ぼす影響は、ドライバーの労働時間が減ることによるドライバーの賃金減少、さらに離職者の増加による輪をかけた人材不足の加速だ。
また、1人のドライバーが1日で運ぶ荷物の量が減れば、運送会社の売上も減り、経営が厳しくなる。とはいえ、それを避けるために運賃の値上げをすれば、消費者の負担が増えることになる。
この問題は、宅配の送料無料、翌日配達がなくなるといった観点で語られることが多いが、実はエンタメ界にも影響を及ぼしそうだという。舞台関係者の話。
「全国でライブや舞台を公演するときは、大量の機材等をトラックで運び込みます。運送コストが上がればチケット代の上昇はもちろん、地方公演の減少にもつながります。そうなると各種の公演は首都圏に集中し、会場の取り合い状態になってくるかもしれません」
さらにドラマや映画の撮影にも影響を及ぼす可能性がある。
「映像系の機材を運ぶ運転も、プロに任せるのではなく制作スタッフが行うことが増えてきそうです。通常業務だけでも激務なのに、運転まで務めることになると過重労働になり危険です」(前出・舞台関係者)
芸能界も2024年問題に直面しているようだ。
(鈴木十朗)