社会
Posted on 2024年01月02日 05:59

【世襲制】江戸幕府に存在した珍役職「公人朝夕人」の仕事は徳川将軍の排尿中に「ナニを支える」って!?

2024年01月02日 05:59

 土田孫左衛門という名前を聞いたことがあるだろうか。江戸時代の役職に「公人朝夕人」(くにんちょうじゃくにん)というものがある。朝夕に公務を果たす人、という意味だ。作家の井上ひさしが書いた「おれたちと大砲」という作品にも登場している仕事である。

 徳川将軍が上洛、参内、日光東照宮参拝などをする際には近侍として、行列下部の左右にあって警戒する役で、身分は武士ではなく武家奉公人。いわゆる中間だったと伝わっている。

 同朋頭支配で定員は1人、高は10人扶持で、米に換算して年50俵。年収にして200万円しかない。ただ、雲の上の存在である将軍に近侍することから帯刀を許され、名字も公式に名乗ることができたという。

 古来、高貴な身分の者は衣冠束帯姿である際、衣類の着脱に時間がかかるため、排尿に極めて手間がかかった。そのため、尿瓶にあたる尿筒と呼ばれる銅製の筒を袴の脇から差し込み、排尿中のナニを支える。その役職が公人朝夕人だ。

 公人朝夕人は土田家の世襲だ。鎌倉幕府の4代将軍・藤原頼経の頃から時の将軍に仕え、以降、室町幕府の将軍・足利家、織田信長、豊臣秀吉にも仕えていた。

 江戸幕府となり、慶長8年(1603年)3月25日、徳川家康が将軍拝賀の礼のため参内した際、それまで尿筒の役・公人朝夕人を家職としていた土田氏の先祖を召し出したことから幕臣となり、その後は土田家が世襲。当主は代々、土田孫左衛門を名乗ることになった。公人朝夕人といえば土田孫左衛門、ということになる。

 ただし、公式行事の際の役職であり、毎日のように仕事があるわけではない。ただ、土田家が普段は何をして生活していたのかは、今なお不明のままである。ただ、文字通りのチン商売といえるのは確かだろう。

(道嶋慶)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    エンタメ
    2026年03月09日 06:30

    日本にも「バベルの塔」が実在していたことを知っているだろうか。バベルの塔は「旧約聖書」の「創世記」に登場する、人間が天に届く塔を築こうとして神の怒りに触れ、破壊されてしまった伝説の塔である。「馬鹿と煙は高いところに登る」という言葉があるが、...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年03月11日 06:45

    スマホの通知に追われる日常から、少し距離を置く。そんな「デジタルデトックス」では、若者が編み物や日記、フィルムカメラといったアナログ趣味にハマるケースが報告されているが、この流れは中年層にもじわじわと波及している。その背景にあるのは、仕事で...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年03月13日 14:30

    音楽ライブチケットの高額転売をめぐり、旧ジャニーズ事務所の人気アイドルが所属するSTARTO ENTERTAINMENTのライブ主催会社が、転売サイト大手「チケット流通センター」の運営会社と、高額転売を繰り返したとされる東京都内の男性1人を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/17発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク