社会
Posted on 2024年06月03日 09:59

上野駅13番線ホーム「トオサンバン」が鉄道ファンの心をつかんで離さない理由

2024年06月03日 09:59

 鉄道好きなら誰しも、最寄り駅とは別に「好きな駅」を持っている。建築家・辰野金吾が設計し、赤レンガが美しい東京駅はその筆頭。世界一の乗車人員で知られる新宿駅も、愛される駅のひとつだ。日本で初めて鉄道が走った新橋駅や、皇室専用ホームがある原宿駅を推すファンも少なくない。そして北関東と東北地方の出身者に絶大な人気を誇るのは、上野駅だ。

 上野駅は1883年に開業し、東北本線や高崎線、常磐線の起点として「北の玄関口」と呼ばれた。東北の人にとって、上京して初めて降り立つ駅が上野駅であり、忘れられないという人は多いことだろう。戦後復興期には、集団就職のため金の卵と呼ばれる若者が、期待と不安を胸に上野駅にやってくることもあった。

 そんな上野駅は、今も当時の雰囲気を残している。13番線から17番線までの地平ホームは頭端式で、上野が発着駅であることを強く印象づける。発着するのは宇都宮線と高崎線、常磐線。今も北の玄関口としての役割は変わっていない。

 15番線近くには、石川啄木の「ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」の歌碑があり、郷愁をかきたてる。中でも鉄道ファンの心をつかんで離さないのが「トオサンバン」こと13番線だ。なぜそこまで愛されているのか。鉄道ライターの解説を聞こう。

「13番線は『北斗星』や『あけぼの』(写真)などの寝台特急列車が発着するホームでした。寝台特急列車が出発する時には、ホームで多くの人間ドラマが繰り広げられたものです。遠距離恋愛中と思われる男女が手を握り、別れを惜しむ姿は何度も見たことがあります。ディズニーランドの袋を抱えた修学旅行中の学生が、名残惜しそうに記念撮影をするところも目にしましたね。こんなシーンが見られるのは上野駅、それもトオサンバンぐらいです」

 現在、13番線には宇都宮線の普通列車が発着する。ブルートレインが廃止され、優等列車が発車することはなくなったが、昔の雰囲気をわずかに残している。昔を思い出すべく、訪れてみるのもいい。

(海野久泰)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2026年06月05日 11:00

    日本テレビの長寿演芸番組「笑点」の公式Xが、現メンバーの集合写真とともに〈【お知らせ】笑点がついに…重大発表6月7日(日)夕方5時30分から放送〉と6月4日に投稿した。1966年放送開始、今年で60周年を迎えたばかりの看板番組の「ついに」で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年06月11日 11:45

    プロ野球の元スター選手の息子が、詐欺容疑で逮捕された。事件としてはそれだけの話かもしれない。ただ、引っかかったのは事件そのものより、父親の仕事にまで響いたことだ。中日、オリックス、楽天で活躍し、引退後は解説者として親しまれてきた山崎武司氏で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    芸能
    2026年06月11日 20:30

    名物演芸番組「笑点」(日本テレビ系)が「テレビコメディーパネル番組(週間)の最長放送」としてギネス世界記録に認定されたと発表したのは、6月7日の放送だった。2016年から6代目司会を務める春風亭昇太は「この番組を紡いできてくれた先輩たちに感...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/6/9発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク