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記事全文を読む→上野駅13番線ホーム「トオサンバン」が鉄道ファンの心をつかんで離さない理由
鉄道好きなら誰しも、最寄り駅とは別に「好きな駅」を持っている。建築家・辰野金吾が設計し、赤レンガが美しい東京駅はその筆頭。世界一の乗車人員で知られる新宿駅も、愛される駅のひとつだ。日本で初めて鉄道が走った新橋駅や、皇室専用ホームがある原宿駅を推すファンも少なくない。そして北関東と東北地方の出身者に絶大な人気を誇るのは、上野駅だ。
上野駅は1883年に開業し、東北本線や高崎線、常磐線の起点として「北の玄関口」と呼ばれた。東北の人にとって、上京して初めて降り立つ駅が上野駅であり、忘れられないという人は多いことだろう。戦後復興期には、集団就職のため金の卵と呼ばれる若者が、期待と不安を胸に上野駅にやってくることもあった。
そんな上野駅は、今も当時の雰囲気を残している。13番線から17番線までの地平ホームは頭端式で、上野が発着駅であることを強く印象づける。発着するのは宇都宮線と高崎線、常磐線。今も北の玄関口としての役割は変わっていない。
15番線近くには、石川啄木の「ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」の歌碑があり、郷愁をかきたてる。中でも鉄道ファンの心をつかんで離さないのが「トオサンバン」こと13番線だ。なぜそこまで愛されているのか。鉄道ライターの解説を聞こう。
「13番線は『北斗星』や『あけぼの』(写真)などの寝台特急列車が発着するホームでした。寝台特急列車が出発する時には、ホームで多くの人間ドラマが繰り広げられたものです。遠距離恋愛中と思われる男女が手を握り、別れを惜しむ姿は何度も見たことがあります。ディズニーランドの袋を抱えた修学旅行中の学生が、名残惜しそうに記念撮影をするところも目にしましたね。こんなシーンが見られるのは上野駅、それもトオサンバンぐらいです」
現在、13番線には宇都宮線の普通列車が発着する。ブルートレインが廃止され、優等列車が発車することはなくなったが、昔の雰囲気をわずかに残している。昔を思い出すべく、訪れてみるのもいい。
(海野久泰)
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