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記事全文を読む→わざと鼻毛を伸ばし陰嚢を晒した加賀百万石「バカ殿大名」の「実は巧妙な策略だった」超一流の政治手腕
わざと鼻毛を伸ばし、股間の袋が痛いと言ってズル休みをした、異色の大名をご存じだろうか。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」にも登場する百万石の前田家初代当主・前田利家の血を引く、加賀藩2代目藩主の前田利常だ。文禄2年(1594年)生まれで、利家の庶子・四男である。
「槍の又左」と呼ばれた父・利家は相当の傾奇者だった。若い頃は人よりも長く、派手な装飾をほどこした槍を持ち歩き周囲を唖然とさせていたが、利常はその上をいく変人中の変人だ。
なにしろ常時、鼻毛を伸ばし、家臣が見かねて手鏡を差し出したというエピソードが残っている。これには虎視眈々と外様大名のお家取り潰しをもくろむ徳川幕府に対し、暗愚を装うことで対抗しようとする意図があったらしい。実際に「加州、能州、越中の三国を守り、家臣を安泰に暮らせるための鼻毛だ」と胸を張っていた。
病気を理由にしばらく江戸出仕を休んだ後の言動も「奇行」そのもの。老中・酒井忠勝に皮肉を言われた際には、股間を晒して「ここが痛かったので」と陰嚢を指さしたというから、今なら公然わいせつの罪でパクられ、大スキャンダルになるレベルだ。
考案した画期的なシステムは幕末まで他藩の手本に
反面、名君の誉も高く、独創的な「改作法」と「十村制」という農政改革を推し進めた。武士が直接、農民から年貢を取り立てることを禁止し、藩の役人が徴収する仕組みへと変更。豊凶による年貢率の変動を一定にし、困窮した農民には米の融資を行うことで、安定した税収を確保する目的で行ったのが「改作法」だ。
そしてその地域の有力な農民を「十村」という役職に任命し、複数の村の管理監督や年貢徴収の現場監督を任せた。
これらの画期的なシステムは幕末まで他藩の手本となり、「政治は一加賀、二土佐」と称賛されたという。その他、加賀漆器や金箔職人も手厚く保護、育成し、防災対策にも手腕を発揮したというから、志村けんのバカ殿を地でいくわりには、政治家としては超一流だったのかもしれない。
(道嶋慶)
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