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記事全文を読む→ハンディファンの動作音が気になったら…「大風量とやさしい運転音の両立」シャープ9900円の多彩な価値
夏の駅のホームに立つと、隣の人が使っているハンディファンの動作音がやけに耳につく時がある。通勤電車の中でも同じだ。通販サイトを開けば2000円から4000円の商品が画面いっぱいに並ぶが、画面上の説明だけでは性能や品質の違いが見えにくい。
そこへシャープが自社として初めて投入したハンディファンが「プラズマクラスターオウルフローハンディファン PJ-HS01」だ。価格はオープンだが、シャープ公式通販では9900円(税込)で販売されている。数千円の商品が並ぶ市場で、なぜシャープは1万円近い価格をつけたのか。
ハンディファンは中身を確認しにくい商品である。販売元の連絡先がはっきりしない品もあれば、電池の管理体制が見えないものもある。価格だけではその差を判断できない。今回のシャープ製は、そこを意識した設計だという。
高額な理由のひとつは風と音だ。シャープが2024年から手がけるサーキュレーターの送風構造を応用し、筒状のヘッドとらせん状のグリルによって、風を直線的に送り出す設計にした。
フクロウの翼を参考にした羽根は膨らみを持たせて風を効率よく捉え、グリル側に刻んだ微細な凹凸が風切り音を抑える作りになっている。シャープはこれを「大風量とやさしい運転音の両立」と説明してしており、風量を確保しながら耳障りな高い音域を抑えることを狙ったという。
安全面では、バッテリー周辺をアルミ素材と難燃樹脂で覆った。使用温度は0度から40度。廃棄時に取り外せるバッテリーは、交換用ではなく回収のための設計だ。強い衝撃を受けた後、異常発熱や変形、異臭、充電不良が出たら、その時点で使用をやめてほしい。
衝撃や発熱に神経質になるのには理由がある。独立行政法人の製品評価技術基盤機構(NITE)によると、2019年に携帯用扇風機の不具合による事故が発生して以降、2021年までの3年間で47件の事故が報告された。電池セルに安全機構がない、同じ型式でも電池セルの仕様が個体ごとに違う、組み立て工程の不良で短絡し出火するといった事例も確認されている。原因は暑さだけでなく、電池や製造工程の品質にもあるのだ。
試験では衣類に付着した汗臭とミドル脂臭への消臭効果を確認
もうひとつの特徴が消臭だ。本機にはシャープ独自の「プラズマクラスター」イオンを発生させる機能が搭載されており、同社の試験では衣類に付着した汗臭とミドル脂臭への消臭効果が確認されている。通勤で汗をかいたワイシャツに、デスクで風を当てるような使い方が想定できる。
購入前に知っておきたい点がいくつかある。重さは約200グラムあり、軽量なモデルに比べると、手に感じる重みは大きい。ヘッドに奥行きがあるぶん、カバンには収まりにくい。充電には約5時間かかり、強運転は約3時間で切れるので、外出の予定に合わせて充電のタイミングを決めておくと安心だ。
1万円近い価格には、直進性を持たせた風、運転音への配慮、電池まわりの安全設計、消臭機能が盛り込まれている。甲高い風切り音やバッテリーの品質が気になる人なら、価格差に十分、意味を見い出せるだろう。
(ケン高田)
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