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記事全文を読む→テリー伊藤 対談 伊集院静(3)基本はずっと前傾姿勢です
伊集院 今は格差が広がったというけど、小さい、成長段階の格差はたくさんあったほうがいいと思う。テリーさんの放送の世界にも、「お前、それは10年早いよ」っていうのがあるじゃないですか。
テリー ありますね。
伊集院 そうしてみんなが成長していくんだけど、小泉純一郎時代にナントカ平蔵っていうのが人材派遣会社が何の職業でもできるようにして、賃金を搾取して、「あ、平等の本当の目的は金だ」っていう話になった。そこから「金出しゃいいじゃないか」っていうのが出てきたと思うんだ。
テリー それは日本人の質が変わってきたっていうことですか。
伊集院 明治時代までは物凄くお人よしでオカミから言われたことは聞く善良な部分と勤勉な部分はあったと思う。だから、日本人は今回の地震で騒がなかったと外国人はほめるけど、ニューオリンズで水害があった時すぐ強盗に入ったお前たちの国が間違ってるんだと。日本は昔から当たり前のことをやってるんだ。マスコミも外国人と同じことを言うからおかしいんだ。
テリー ハハハ。
伊集院 昔は食事も、父親がいちばんいいものを食べて、いいお酒を飲んでた。今は父親はビールを発泡酒に替えて、子供は栄養のある生のオレンジジュースにしようって。それもダメなんだよ。ライオンを見ると、父親が最初にいいとこを食って、そのあとに母親が分ける世界だから。
テリー 確かに。
伊集院 だから、子供に贅沢させると絶対ダメ。この間の紙会社の息子も。
テリー 大王製紙の。
伊集院 あれはずっと贅沢させられてきたから。子供の時にお金や物を与えられてきた人間はほとんどダメになってる。それで成功したヤツはまだ聞いたことないね。
テリー 話は変わりますけど、伊集院さんと僕は同じ世代ですよね。これから老いが来ますけど、どう受け止めていけばいいですか。
伊集院 老いを感じる時って誰しもあると思うんですよ。走ろうとしたら思ったように走れなかったとか。でも、それは体力がなくなっただけで、若者よりもはるかに経験値があるわけだから、それを掛け合わせたら、老いと呼ばれるほどのことじゃないと思ってる。
テリー なるほど。
伊集院 何か疾患が出たとか、自分のことが自分でできなくなったとなると、老いと呼ばれるかもしれないけど、それでもなおかつ、人のために何かできることがあれば、老いと捉えなくてもいいんじゃないかな。
テリー 人のために何かできるって大切ですね。
伊集院 それは基本ですよ。年齢によってやらなきゃいけないことがいくつかあって、15か16までにするのは、1つは死人を見ること。人は必ず死ぬっていうことを確認することですね。もう1つは自分より優秀なヤツが世の中にたくさんいることを現実に見る。
テリー 例えば、どういった部分ですか?
伊集院 「こいつ俺より走るの速いや」とか「跳べるわ」とか。勉強ができるとか。いちばん現実的なのは、「お前、何で女の子が寄ってくるわけ?」っていうことね。私の弟がハンサムだったんだけど、何で私は出っ歯でこんなんだって思って。でも、おふくろが 「大人になったら、あなたにもいいところがあるって言う人が出てくる」って言ってたね。何かわかんないけど。
テリー でも、昔凄く元気だった人も、急にブレーキかかるじゃないですか。
伊集院 僕はギャンブルをやるけど、ギャンブルをやるヤツは基本としてずっと前傾姿勢ですよ。みんなできれば穴場に手を突っ込んで死にたいなっていうのがあるわけ。その間際までジタバタしたっていうのはそんな悪いことじゃないし。
テリー 悪くないですね。
伊集院 だから、そういう姿勢があればいいんじゃないですか。
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