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Posted on 2023年09月21日 05:59

岸惠子が描いた「高齢女性の性愛」小説のモデルは自分自身だった/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

2023年09月21日 05:59

 2019年には自身にとって6冊目となるエッセイ「孤独という道づれ」を発売。さらに2021年には自伝「岸惠子自伝―卵を割らなければ、オムレツは食べられない」を上梓するなど、90歳を超えてもなお、執筆やトークショーと、精力的な活動を続けるのが岸惠子だ。

 彼女が2013年3月に発売した、高齢女性の性愛を赤裸々に描いた小説が「わりなき恋」だった。主人公の「伊奈笙子」は、70歳を目前にしたドキュメンタリー作家。彼女が恋に落ちた相手は、ひと回り年下のビジネスマン「九鬼兼太」だ。2人はパリ行きの飛行機のファーストクラスで出会い、やがて恋に身を焦がすことになるのだが、「わりない」とは、道理に合わない、分別がないという意味。つまり、理性では止められない本能で…というわけである。

 この小説、話題性もあってか、発売と同時にランキングのトップテンに入り、たちまちベストセラーに。ただ、作中には〈侵入してきた九鬼兼太を受け入れながらも激痛が走った。固く閉じたオブジェの扉は開くことができないでただ裂けた、ように笙子は感じた〉といった、高齢女性が抱える問題もリアルに描かれていた。

 岸自身は女優としてデビュー後、日仏合作映画で知り合ったフランス人監督と結婚。24歳で単身渡仏し、一人娘を出産した。離婚後もパリを拠点に国際派ジャーナリストとして活動し、いわば激動の歴史を体験してきた女性だ。むろん恋愛経験も豊富であることは、想像に難くない。

 そんな岸が出版から2年後の2015年4月14日、自身で脚色と衣装を手掛け、自らが出演する一人芝居「わりなき恋」を朗読劇として上演するにあたり、大阪市内で記者会見を開いた。

「ヒロインはほぼ自分です。(相手役の男性像についても)全然男を知らないわけじゃないんで、いくつかのアバンチュールの中で出会った男性を混ぜ合わせました」

 当初は映画化を希望していたが、

「(内容的に)朗読劇には向いていないでしょ。でも、ふさわしい女優さんがいなくて…。私? 20年近く若ければねぇ」

 一部報道では「九鬼兼太」のモデルとなった男性は、慶応大出身の大手自動車会社取締役で、この著書が社内で話題になったことで、過去の社内不倫が発覚。結果、出世を逃がしたとの噂も流れたが、真相は不明だ。

「気付いたら、したたかで強い女になっていた」という彼女も、今年8月で91歳に。今後も変わらぬ活躍を期待したい。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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