社会
Posted on 2023年10月29日 17:58

物流業界の縁の下の力持ち「貨物列車」が今も機関車牽引の理由

2023年10月29日 17:58

 乗車することができないとあって世間一般の注目を集めることがない貨物列車。しかし、JR貨物の貨物列車は、北は北海道から南は鹿児島まで昼夜を問わずに走り、流通の一翼を担っている。

 来年4月1日、トラックドライバーの時間外労働時間が制限されることでドライバー不足が起きると言われている「2024年問題」もあって、貨物列車の存在感は増すばかり。利用者が減少し、鉄道の邪魔者扱いされていたのが嘘のようだ。

 そんな貨物列車は、電車全盛の時代において今も機関車が貨車を牽引して運行している。時代に逆行するような方式が採られているのはなぜなのか。鉄道ライターはこう解説する。

「貨物列車は非常に長い距離を走ります。札幌市にある札幌貨物ターミナル駅と、福岡県福岡市の福岡貨物ターミナル駅を結ぶ便もあります。こうなると電化区間と非電化区間を走らないといけません。電車だと電化と非電化で車両を変えることになり、荷を載せ替える手間が生まれます。ですが、機関車牽引なら非電化区間ではディーゼル機関車を使い、電化区間なら電気機関車と先頭の機関車を変えるだけで済むんです」

さらにこんな理由も、

「機関車牽引はスピーディーな加速ができませんが、貨物列車は停車駅が少なく走りっぱなしで加速する機会はあまりないので、ウィークポイントが気にならないんです。また貨車のほうが電車より製造費用が安く済むというのもありますね」(前出・鉄道ライター)

 こうして貨物列車は機関車牽引が主流となった。しかし、

「電車の貨物列車もわずか2編成ですがあります。2002年に製造された『M250系電車』で、『スーパーレールカーゴ』の愛称がついている。佐川急便がまるごと借り切って、東京と大阪の間で荷物を運んでいます。電車方式が採用されたのは、所要時間を少しでも短くするため。また、最近は新幹線を貨物列車として使う試みも始まり、JR貨物は30年までに実現させたいと発表しました。貨物列車のスタイルも少しずつ変わってきています」(前出・鉄道ライター)

 進化し続ける貨物列車が物流の主役になる日も近いかもしれない。

(海野久泰)

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