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記事全文を読む→高齢者がどっぷり洗脳される「YouTube自動再生」で次から次と「怪奇陰謀論」動画!「エコーチェンバー現象」の底なし沼
「お父さん、また怪しい動画見てる?」
帰省のたびにそんな会話が増えていないだろうか。田舎の親がYouTubeにハマり、気づけば「陰謀論」にどっぷり浸かっている。そんなケースが今、深刻な社会問題になりつつあるのだ。
いったいなぜか。そこには高齢者とYouTubeの「相性の良さ」という問題が横たわっていた。
テレビに慣れた世代にとって、座っているだけで次々と動画が流れてくるYouTubeの自動再生は、馴染みやすいメディアに映る。加えて地方では対面のコミュニティーが減り、YouTubeが「24時間寄り添う話し相手」になっているケースが少なくない。
大きな問題は、そこにYouTubeの「アルゴリズム」なるものが絡んでくることだ。このAIは視聴者が「より長く見続ける動画」を優先して表示する設計になっている。興味本位で一度でも陰謀論的な動画をクリックすると、次々と似たような、さらに過激な動画が並ぶようになる。本人の中では「世の中はこの話でもちきりだ」という錯覚が生まれ、それが真実だと信じ込んでいく。これが「エコーチェンバー現象」と呼ばれる、情報の底なし沼だ。
なぜ高齢者がハマりやすいのかにも理由がある。「自分だけが真実を知っている」という感覚は、社会的な役割を終えた人にとって、強い自己肯定感につながる。また、複雑な社会問題に対して「悪い奴らが全部操っている」というわかりやすい構図を提示する陰謀論は、不安を解消する「心の安定剤」として機能してしまうのだ。
放置すれば実害が出る。科学的根拠のない健康法を信じて通院をやめたり、高額なサプリを購入したり。帰省した子供に陰謀論を説いて、親族関係に亀裂が入るケースも増えている。
さらに深刻なのが、政治への影響だ。選挙期間中に特定の候補者や政党を礼賛・批判する動画が拡散し、高齢者がその情報をそのまま信じて投票行動に影響が出た、という報告もある。個人の思想の自由は尊重されるべきだが、根拠の薄い動画が社会の分断や政治的混乱を招いているという意味で、これはもはや家族内だけの問題ではない。
では、どう対処すればいいか。まず、絶対にやってはいけないことがある。
「それデマだよ」
「騙されてる」
これらは禁句だ。真っ向から否定した瞬間、本人の中で「自分は攻撃されている」という変換が働き、むしろネットの世界へさらに深く逃げ込んでしまう。内容を論破しようとするほど、逆効果になるわけだ。
有効なのは、感情に寄り添うことだ。「最近その動画、気に入ってるの?」「何か不安なことある?」と、本人の生活や気持ちに目を向けた対話が、遠回りなようで最も効く。
もっと手っ取り早い解決策はある。FireTV StickやChromecastといった端末を買って、実家のテレビのHDMIに差し込むのだ。NetflixやAmazonプライムビデオが大画面で見られるようになれば、夢中になれるドラマや映画はいくらでもある。「これで映画見な、返却しなくていいから楽だよ」のひと言で、毎晩YouTubeではなくドラマを楽しむようになった…そんな声は実際に多い。月数千円のサブスク代は、家族の平和を守る保険料と思えば安いものだ。
陰謀論は「暇」と「孤独」と「アルゴリズム」が生み出す現代病だ。説教よりも、面白いコンテンツを渡す。それがいちばんの処方箋なのである。
(ケン高田)
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