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記事全文を読む→伊藤健太郎「前所属事務所」社長が憤る“2億円超損害賠償金”の後始末/芸能界「プロダクションVSタレント」独立興亡記〈緊急集中連載③〉(1)
タレントが所属事務所から独立する際、当事者、取引先、ファン、どの立場から見ても“円満退社”であることが望ましい。今回取り上げるのは、不祥事を乗り越えたタレントが、復帰のバックアップをしたプロダクションから不誠実な対応で他事務所に移籍してしまったケースである。
俳優の伊藤健太郎が前所属事務所「イマージュエンターテインメント」を抜けたのは24年9月10日のことだった。そして同年11月1日、小栗旬が社長を務め、田中圭や綾野剛ら実力派俳優を抱える「トライストーン・エンタテイメント」に移籍している。
イマージュの代表取締役・馬淵哲矢氏が口を開く。
「引き抜きというのは、対象となる方の現状がハッピーであれば実現しないと思っています。スタッフにも逐一『引き抜かれるのは、引き抜かれる側にも問題がある』と言ってきました。だから健太郎に関しても、移籍自体については残念だけど、仕方がないと思っています」
伊藤にも移籍を望む理由があったようだ。馬淵氏もそこには一定の理解を示している。
「うちはもともとモデルエージェント(『ボン イマージュ』)なので、演技や俳優の育成については専門ではありません。そういった部分で、事務所の人間と芝居の内容を共有したかったという彼の想いは聞きました。僕らも、顧問や弁護士も交えて、足りない部分を補える人材を探したり、体制を考えたり、彼がうちでハッピーになれるよう話し合いを重ねてはいましたが、彼の演技や感性については業界内でも高く評価されており、それをさらに追求したいという想いが高まった結果の決断だったのでしょう。うちに残ってもらいたかったのですが、彼の想いを満たすことができなかった事務所の責任でもあると思うので、『申し訳なかった』と彼に言いました」(馬淵氏)
俳優の育成に一日の長があるトライストーンサイドから声をかけられたことで、伊藤の気持ちは移籍に大きく傾いたのであろう。
とはいえ、出ていくのを見送った側が腑に落ちないのは、“金銭問題”が解決していないからだ。
20年10月28日に伊藤健太郎が運転する乗用車がバイクと接触事故を起こした。バイクに乗車していた2人にケガを負わせて、ひき逃げの疑いで逮捕されている。結果、伊藤の出演部分を見直す必要に迫られた作品やCMに対する、2億円を大きく超える損害賠償金をイマージュが肩代わりしていたのである。
ここで、移籍に至るまでの旧所属事務所と伊藤の良好だった関係性について振り返ってみたい。
「うちは今年で47期目と、長年やっているモデル事務所ですが、14年に彼がドラマのオーディションを通過した時に、彼のためにイマージュエンターテインメントを作ったのです」(馬淵氏)
共同出資で立ち上げた事務所だったが、18年に伊藤がドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)で大ブレイクする直前、出資者のうちの1人が株式をすべて買い取る形で伊藤を連れて独立。ところが、同事務所「aoao」と折り合いが悪くなった伊藤は20年9月10日、イマージュに出戻ったのである。
伊藤はすでに売れっ子となっていたから、イマージュとしても前途は明るいはずだった。ところが、移籍からたった1カ月半で事故を起こしたのだ。
被害者である運転手と同乗者の2人とは、退院を待って示談が成立。ドライブレコーダーの記録が証拠となって、事故から5カ月後には不起訴となった。旧所属事務所の尽力もあり、当初は8億円とも言われた損害賠償金は交渉を経て、3分の1近くまで減額された。それでも、当然ながら途方もない金額である。
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