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記事全文を読む→猫の鳴き声は「変遷」していた!「ねうねう」「ニョーニョー」も…「七色の声」を使い分ける黒猫
猫の鳴き声は千差万別だし、代表的な鳴き声は国によっても異なる。日本の場合は「ニャー」とか「ミャオウ」などだろうが、英語では「ミャウ」や「ミュー」、フランス語は「ミャウ」、ドイツ語が「ミアォ」、韓国語だけがやや変わっていて「ヤオン」というのが、「にゃんペディア」による世界の猫の鳴き声だ。
しかし、そもそも日本の猫の鳴き声が、例えば「ニャー」だったのかというと、そうでもないらしい。日本語学者の今野真二氏が「日本語日記」(日経新聞)という連載をしていて、「ネコの鳴き声」というテーマ(5月17日付)では「源氏物語」の中に「ねうねう」という鳴き声の描写があるというのだ。
この「ねうねう」について、鎌倉時代に作られた「名語記」という、語源を説明している辞書には、猫が鳴くのはどうしてかという問いを立て、「ね」はネズミ、「う」は得るとしているそうだ。つまり「ねうねう」と鳴くのはネズミをとりたいからだとか。今野氏いわく「なんちゃって語源説」なのだが。
そしてここからが難しい。鎌倉時代から室町時代にかけての話だ。「今日」は「ケフ」と読むことがあるが、いったんは「ケウ」という発音になり、「ケウ」は母音が「エ」と「ウ」と連続しているので、長音の「ヨー」になる。これは声を出してみるとわかる。この「ヨー」が「キョー」になったのだという。
「名語記」が作られた頃には「ねうねう」の発音は「ニョーニョー」だったかもしれないという。それが現代の「ニャーニャー」になっていったというのだ。
ウウン⇒ワゥン⇒ウウウウウウ⇒キュルルル⇒ミャー⇒ヤン
こうしてみると、猫は鳴き声ひとつとっても興味深い。「ニャー」となるまで、こんなに変遷があったのだ。
翻って、実際の猫の鳴き声はどうか。我が家の3匹の猫のうち、いちばん下の黒猫「そうせき」は、最近は猫なのかネズミなのか、それとも異なる動物なのか、意味不明になっている。
そうせきが「何かの折にウンと返事する」というのは過去に本サイトで書いたことがあるが、今では七色の声を使い分ける。早朝、1階から呼ぶ時はウウン、ウウンと叫んだり、ワゥンと犬のようだったり。1階に降りてなだめるとウウウウウウとかキュルルルとか奇声を発し、寝転がって横に長く伸びる時だけ可愛げにミャーと鳴く。あるいは何かの拍子に、ヤンと反応する。猫と思えるのは、伸びてミャーと鳴く時だけ。呼びかけると、何回かに1回はウンと頷くのも相変わらずだ。
いちばん年長の「ガトー」は、ご飯のおねだりの時だけニャーと鳴く。それ以外は鳴くことがないが、その代わり、ご飯を催促する目力がすごい。真ん中の「クールボーイ」もご飯の時だけで、最初は小さくアーン、足りないとギャーギャーと喚く。
実際の猫の泣き声は、日本語学者も真っ青ではないか。
(峯田淳/コラムニスト)
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