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「あんまり言うと放送禁止だらけになっちゃうけど、まー女衒っていうかね、要するに人飼い事務所なんだよ。猿回しと同じで、俺ら芸人は猿なんだ。猿は猿回しが使ってんだ。その猿が人を噛んだからといって、猿に謝れったってダメなんだ。飼ってるヤツが謝んの。
そいで、芸人のこういう姿を見せればリスクを負って、あん時の涙を流して記者会見したヤツの芸を誰が見て笑うんだってなるから、これはやらせたくないんだよ。これをやってくれるなって思うわけ。
芸事というのは、人を笑かせるってことは、そういうことを全部忘れて、明るく、くだらねーなっていうことが芸なんだから。それをやってしまうようにした事務所はおかしいって!
あと、もっと考えなければいけないのは、闇とかなんか言っても、それをやんなきゃ食えないような状態の、事務所の契約は何だっていう。だから、ちゃんと若手も出てきて、事務所のこういう仕事して、いくらくれたって、言ったほうがいいんだって。それじゃなきゃね、家族がいて、食えないようにしたのはいったい誰なんだって、だったら雇うなよ! 最低保証ぐらいしろよ‥‥」
7月20日、反社会勢力との闇営業問題をめぐり、宮迫博之さんと田村亮さんの謝罪会見が行われたことを受けて、その日の夜、自身がレギュラーを務める、毎週土曜の生放送「新・情報7daysニュースキャスター」の中で、殿はいつになく苦い顔をしながら、冒頭の持論をじっくりと述べたのです。この日のコメントのノーカット版はネットにあがっているので、興味のある方はそちらを見ていただくとして、この発言が出てから5分後には、各ネットニュースが「待ってました!」と言わんばかりに「たけし痛烈批判」「たけしだったら雇うな!最低保証ぐらいしろ」といった見出しで、いつもよりはっきりと多く、スマホやPCの中で躍っていました。
ちなみにこの日は、番組の人気コーナーを1つ飛ばして、殿はコメントに時間を割いたのです。
で、生放送終了後、楽屋へ帰る短い道すがら、わたくしがすぐさま「殿、こんなことを言うのもあれですが、見事な正論、かっこよかったです!」と、例によって、あまり頭がいいとは言えない感想を率直にあてると、殿は“そうか? 当然のことを言っただけだけどな”といった表情を瞬時にしたあと、
「なんだ、またネットでジャンジャン、たけしが言ったって大騒ぎか?」
と、笑顔で返してきたのです。そして、
「あれだな。『お笑いウルトラクイズ』でもありゃな、あいつら(宮迫さんと亮さん)呼んで『今日は数々の闇営業を断って、この2人が駆けつけてくれました』ってやって、最後に『これは本日のギャラです』って、とっぱらいで裸の現金渡したりするギャグができたのにな、残念だな」
と、最後はしっかりと、お笑いで着地させ、楽屋へと戻っていったのでした。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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