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記事全文を読む→百恵と淳子、“批判”を芝居で封じた
怪物番組だった「おしん」に次ぎ、NHK朝ドラの視聴率で2位の記録を持つのが「澪つくし」(85年)である。平均で44・3%、最高で55・3%という驚異的な数字だった。
主演・古川かをる役は沢口靖子だが、その異母姉・坂東律子に扮したのが淳子だった。このシナリオもジェームス三木が担当しているが、淳子との結びつきは「かたぐるま」(79年/日本テレビ)が最初。ここでの淳子はイメージのままに“正統派ヒロイン”だが、「澪つくし」では違ったと三木は言う。
「自由奔放で、社会に目覚めて理屈をこね回すようなインテリな役。彼女の気まぐれな言動から周りを手こずらせるんだけど、これが意外にもピッタリと合っていたね」
三木は、淳子の女優としての資質は「意外性」にあると思った。お見合いの席でわざとタバコを吸ったり、父親の久兵衛(津川雅彦)と激しい立ち回りを演じる。その演技が、まるで舞台女優のように見えることもあった。「本当に『えっ?』と思うような芝居をやるんだよね。庶民的な感じだけではない一面を出すんだ」
淳子と三木は、もう1つのひそかな縁がある。淳子がデビューにあたり「サンミュージック」を選んだのは、大ファンだった森田健作がいたことが大きな理由。その森田のデビューは映画「夕月」(69年/松竹)で、役名の森田健作がそのまま芸名になった。この映画の脚本を担当し、事実上の名づけ親となったのが三木だったのだ。
さて三木と淳子は87年にも大ヒットドラマで仕事を共にする。歴代の大河ドラマで最高視聴率(平均39・7%)を誇る「独眼竜政宗」のこと。
渡辺謙が演じた伊達政宗の正室・愛姫であり、ヒロインの大役だったが思わぬ “逆風”が吹いた。愛姫の少女時代を演じた後藤久美子の評判があまりに高く、後に「国民的美少女」と呼ばれる一大ブームを巻き起こす。そのため、成長して淳子にバトンタッチしたとたん、ブーイングが聞こえてきたのである。
「そもそも愛姫は正室でありながら側室の猫御前(秋吉久美子)に押さえつけられるかわいそうな役。これをみごとな芝居で演じたことによって、当初の批判を封じ込めていったね」
三木は2本の大ヒット作のあと、淳子の誕生パーティに呼ばれた。その席でスピーチを求められた三木は、生来の饒舌さと酔った勢いも手伝い、壇上で並んだ淳子にこんな質問をした。
「あなたは“名器”だってウワサがあるけど、本当のところはどうなの?」
かつて潔癖症で知られた淳子だったが、デビューから15年が経ち、三木の頭をポカリと殴るようなしぐさで会場の笑いに変えたという。
三木は一時、この2本の大ヒット作の再放送が「淳子の宗教上の問題」を理由に、批判の投書が殺到していた状況を嘆いた。今でこそCS放送を中心に再び視聴は可能だが、それ以上に「女優・桜田淳子」に再会したいと思っている。
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