スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「KEIRINグランプリ」

深谷知広がシルバーコレクターに終止符

 初出場選手とベテランの活躍が目立つのがグランプリである。

 2013年の「立川グランプリ」(12月30日【月】)の9人を、予想される最終周の並びとともに紹介すると、先行するのは深谷知広金子貴志浅井康太の中部トリオ、中団に関東の平原康多後閑信一長塚智広、そして新田祐大成田和也の福島両者は後ろ攻めと見た。12年、中部コンビの3番手から勝った村上義弘は単騎戦選択ではないか。

 ところで、GPは初出場で勝つか、メンバー中、最年長選手がよく頂点に立っている。前者は加藤慎平(05年)、海老根恵太(09年)、村上博幸(10年)。後者には山口幸二(11年、当時43歳)がいるが、この2つを満たしていたのが06年の有坂直樹(当時37歳)だった。

 13年の初出場組は金子と新田の2人。そろって初戴冠の可能性も十分あり、特に金子は夏以降の活躍ぶりに目をみはるものがある。2度のGI優勝は弟子の深谷との連係によるものだったが、9月京王閣AS【1】【1】【1】●【8】(●は決勝レースの着順)は予選からの勝ち上がりで、深谷とは1戦も同乗していない。3連勝は番手で競られてしのぐ、混戦を抜け出す、後方7番手からの圧巻まくりと、中身が濃かった。前を託される深谷は「師匠を競らせちゃいけない」と、早めにパワー先行に出るのも味方する。

 そして06年6着以来、4度目の出場を果たしたのが最年長(43歳)の後閑。地元選手であり、狙いを定めた時の強さは格別なのを忘れないでほしい。

 さて、展開。深谷が踏めば、平原も新田も叩き合いは挑みそうにない。平原は深谷の番手を狙って金子と戦い、前が短くなったところを新田がまくりにかけることになる。

 ◎深谷=○金子。深谷は逃げたほうが強く、ガードは気心の知れた師匠。今年GI2着4回のシルバーコレクターに終止符を打つ。金子の3たび先着もあるが、3番手評価の新田の渾身まくり炸裂もある。

 12月29日のヤンググランプリは、中部で並ぶ99期の竹内雄作猪俣康一が有力。番手になりそうな猪俣が本命、対抗が竹内。また、自在性ある101期の三谷竜生も怖い存在だ。

 第2回ガールズグランプリ(12月28日)は2選手の力が抜けている。先行して長くもがける加瀬加奈子と、まくりのスピードは女子トップの石井寛子だが、展開から石井がやや有利か。

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能12/24発売(1/2・9合併号)より

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