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イニエスタ退団「カネの切れ目が縁の切れ目」だった「楽天モバイル大赤字」の決定打

 サッカー元スペイン代表アンドレス・イニエスタが5月25日に緊急会見を開き、所属するJ1ヴィッセル神戸を今夏に退団すると発表した。

 神戸市内で行われたこの会見では、楽天グループ会長兼社長で神戸のオーナーでもある三木谷浩史氏を筆頭に、FW大迫勇也、武藤嘉紀ら主力選手が着席するVIP形式となった。

 ただ、てっきり引退会見と思われたのが、イニエスタは「ここ(神戸)で引退する姿を想像してきたが、まだまだプレーを続けたい」と現役続行を宣言している。

 スペインサッカーの至宝と言われたイニエスタは2018年、完全移籍の形で神戸にやって来た。Jリーグ史上最高年俸32.5億円(推定)というとんでもない契約だった。来日後は副業も絶好調で、様々な企業のアンバサダーを担ってスニーカーブランドを創設し、楽天の後押しにより、尼崎と堺ではサッカー教室も開講。オルティス夫人は日本でアパレルブランドを立ち上げている。

 その費用対効果の大きさについて、三木谷氏は「ヴィッセル神戸の名前を世界に知らしめてくれた」などと称えたが、肝心のチームへの効果は、19年度の天皇杯優勝だけ。昨シーズンは故障に泣いて、神戸はJ2陥落寸前まで低迷した。揚げ句に一時は三木谷氏が辞任を示唆し「神戸を手放すのでは」との憶測まで流れている。

 三木谷氏のラブコールだけで獲得したイニエスタとの蜜月関係は、そろそろ潮時を迎えていた。その最大の要因は、同氏が社運をかけて展開する「楽天モバイル」の不振にある。昨年は単体で4928億円の大赤字を出し、今年2月の会見では月額150億円のコスト削減を発表したばかりだ。

 2021年にはコロナ禍の下、10億円以上の大幅減俸を飲んで、契約を2年延長していたイニエスタ。しかし今季の神戸はイニエスタ抜きで首位を走っており、契約期間が切れると同時に、文字通り「カネの切れ目が縁の切れ目」となったようである。

(小田龍司)

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