芸能

「大仁田厚方式」で計画的引退を演出した「鼠先輩」のサラサラへア宣言/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 昨年暮れだったか、たまたま新聞で、アメリカ出身で史上初の黒人演歌歌手として話題になったジェロがX(旧Twitter)に〈本日からしばらく日本から離れ、アメリカで暮らすことになります〉とメッセージを発信していることを知った。

 フォロワーからは〈どうかアメリカに行ってもお元気で〉〈「寂しくなりますね。心癒されに日本を訪れてください〉といった暖かい声が寄せられている、ということだった。

 そういえば当時、ジェロの「海雪」をカラオケでよく歌ったなぁ、と懐かしさが脳裏をよぎったものだ。

 そしてついでに思い出したのが、ジェロがこの歌で大ヒットを記録した2008年に突如、「ぽっぽぽぽぽ~」のフレーズで一気に大ブレイクした、鼠先輩だ。

 人を食ったような名前で、パンチパーマにサングラス。「ドン・キホーテ」で揃えたというダブルのスーツで歌うデビュー曲「六本木~GIROPPON」は、発売前から携帯電話の着うたサイトのランキング1位を獲得。2008年6月30日付のオリコン週間ランキングで、初登場13位という快挙を見せた。

 岡山県出身の鼠先輩は「バンドで有名になるぞ!」と意気込んで上京したものの、鳴かず飛ばず。結局、ペンキ職人、スナックのマネージャー、キャバクラのボーイ、清掃業など30種もの仕事を転々とした。デビュー直前にはオトナのビデオの監督兼男優として「鬼畜系作品」などに出演していたとして、話題になったものである。

 ところが、そんな彼が突然、年内限りでの引退を発表する。東京・六本木のホテルで記者会見を開いたのは、デビューから1年後の2009年6月3日だった。おなじみのパンチパーマに紫色のド派手なスーツで現れた鼠先輩は、

「子供の頃から歌手や芸能界で活躍するのが夢で、こうしてなれたわけですが、思った以上に厳しく、(懐に入ったのは)おそらく100万円ちょっと。思っていた以上にお金にもならなかった」

 その上で、次のようなスパッとした物言いで、芸能人廃業も宣言したのである。

「私は一発屋。桜のようにパッと咲き、パッと散るのが定め。きれいサッパリ引退して、足を洗います。人生一度きりですので、これからはハローワークに通い、自分が好きで楽しいと思える道にいきたい」

 とはいえ、芸能界では大々的に引退会見を開いた後、何食わぬ顔で復帰することはままあること。筆者も同行したカメラマンと「あれは間違いなく、絶対に2年か3年で復帰するパターンだな」などと話していた。

 そして想像通り、いや、予想をはるかに上回るスピードで、鼠先輩は復帰。その際にはこう説明している。

「もともと復帰するつもりで引退したんです。引退して、タイミグを見計らって復帰。それを繰り返す。大仁田厚さんなんか、10回くらい引退興行やってるじゃないですか。だから俺も大仁田式でやろうかと」

 まったくもって悪びれる様子などなし。ただ、引退会見でトレードマークのパンチパーマを「来年からサラサラヘアにします」と語っていただけに、それを見ることができなかったのは残念だが…。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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