社会
Posted on 2024年02月25日 17:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<ストロング系チューハイの健康リスク>過剰摂取により肝機能障害の恐れも!?

2024年02月25日 17:55

 アサヒビールやサッポロビールが、アルコール度数8%以上の「ストロング系チューハイ」の新商品を、今後発売しない方針であることが発表された。背景に挙げられるのは健康リスクだ。一体「ストロング系チューハイ」がもたらすリスクとはどのようなものなのか。

 厚生労働省が定める1日当たりの適度な飲酒量は、男性は20グラム、女性は10グラムの純アルコール量とされている。しかし、500ミリリットル缶の「ストロング系チューハイ」に含まれるアルコールの量は、1本当たり約36グラム。1缶飲むと、男性は1日の限度の1.4〜1.8倍ものアルコールを一度に摂取してしまうことになる。

 アルコールの過剰摂取が習慣化することにより、様々な身体的疾患に陥る恐れがある。注意が必要な疾患は「アルコール依存症」「肝機能障害」などだ。これらの疾患と「ストロング系チューハイ」との関係性については、まだはっきりとは解明されていない。しかし非常に高いアルコール度数や、大量に含まれる人工甘味料の影響で、体に負担がかかってしまうことは確かである。

 予防には、自分が普段どのくらいのアルコールを摂取しているかを、純アルコール量で確認してみることがオススメだ。その上で、1日に飲むアルコールの適量を決めて実行することがポイントである。

 缶チューハイの場合は、プルタブを一度開けると1本飲み切るしかないため、つい飲みすぎてしまいがちになる。

 どうしても「ストロング系チューハイ」を飲みたい場合には、1缶を誰かと分け合い、半分の量に控えるなどの対策も考えられる。

 それでもコントロールができない場合は、早めに医療機関に相談してみるのも有効だ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク