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お次は、ホイ来た81年の大ヒット曲「ルビーの指環」。歌っているのはハードアクションからおちゃめな役どころまで何でもござれ。“世界のクロサワ”映画でもお馴染みの俳優・寺尾聰(78)だ。
「寺尾さんは俳優のイメージが強いけど、GSグループ『ザ・サベージ』のベーシストとしてデビューしたことは知ってるよね。さて、この楽曲の作詞は昭和歌謡のモンスター・松本隆さん。作曲は寺尾さん自身が手がけています。歌詞の頭に出てくる“風の街”が、どこの街かわかりますか? 都内23区の青山と麻布、そして渋谷を結んだ三角地帯で、松本さんの地元でもあります。この年、クールスRCのボーカルとしてデビューした私も、実父がこの界隈のマンションで独り暮らししていたので思い入れがあるんです」
一聞すると、歌いやすそうに思われるが、一筋縄ではいかない1曲だ。
「“風の街”感のある歌詞、メロディもめちゃくちゃソフィスティケイトされていておしゃれ。これをサラッと歌うのはなかなか難しいけど、あんまりリキまず、声がガサついたらガサついたなりに水墨画の質感で歌ってほしいね。私は半音上げてカバーしていますが、キーを上げすぎたら持ち味がなくなるので、気をつけてクールに歌いたいところ。寺尾さんのようにタレサンをキメると緊張しないかもよ」
なるほど〜。ここで歌唱指導はちょいとひと休み。そもそも剣さんはなんで、「昭和歌謡」にハマった?
「タネオヤジ(実父)がテレビ局やレコード会社に出入りしていた関係で、自宅にGSや演歌やアイドルなど、いろんなシングルの見本盤がいっぱいありました。でも決定的だったのは、小5の時に中古レコードの屋台で実演販売をさせてもらったことかな。店主に代わって私がレコードをかけながら寅さんみたいなマイクパフォーマンスを披露してね。その場のノリで替え歌や変えメロ、即興オリジナルソングを歌ったり。やりたい放題。人前でお金をもらって歌ったのはこの時が初めての経験だった」
そんなこんなで半世紀以上、剣さんの“昭和歌謡愛”は続いているのだ。
次は、いよいよ演歌界のツートップ。森進一(78)と五木ひろし(77)のお出ましだ。
まずは森進一が82年にリリースした「冬のリヴィエラ」。81年にリリースされたミリオンセラーアルバム「A LONG VACATION」を生み出した大瀧詠一が作曲を担当、ゴールデンコンビとして知られる松本隆氏が作詞をした肝いりの楽曲である。
「74年に日本レコード大賞を獲得した森さんの『襟裳岬』は、フォーク界の旗手・吉田拓郎が作曲を手がけており、この時、拓郎さんから“日本のアダモ”になれと言われていたんだとか。そんな思いが叶ったのがこの曲。とにかく森さんは演歌のジャンルからはみ出した進取の気性にあふれるシンガーです。しかも大瀧さんの『ナイアガラ』的な奥行きを感じさせるサウンドは、さすが日本のフィル・スペクター。私のカバーバージョンでは、大瀧さんの得意とする北欧エレキテイストを交え、独自の演出を加えてみました」
この楽曲を歌う場合は、アダモのヒット曲「雪が降る」を聴き直すことから始めたい。
横山剣(よこやま・けん)ご存知〈俺の話を聞け!〉「タイガー&ドラゴン」でスマッシュヒットを放ったクレイジーケンバンドのフロントマン。今年9月に発売した25枚目アルバム「華麗」を引っ提げ、全国ツアーを敢行中! ライブで行われる「昭和歌謡イイネ!」のコーナーも大好評!
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