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記事全文を読む→「プロレスVS格闘技」大戦争〈女子初のアルティメット大会L-1の衝撃!〉
1993年11月12日、米国コロラド州デンバーでUFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)が初めて開催されてから、異種格闘技戦ではなく「何でもあり」の総合格闘技イベントが注目されるようになったが、女子プロレスが初めて開催したアルティメット大会は95年7月18日の東京・駒沢オリンピック公園体育館におけるLLPWのL-1(LADY‒1)である。
LLPWのエース・神取忍は83~85年の全日本女子柔道体重別選手権66㎏以下級で3年連続優勝の実績を持ち、その時代に女子柔道が五輪競技だったらメダル確実と言われた猛者。86年にプロレス転向後は“女三四郎”、性別を超えた“ミスター女子プロレス”と呼ばれていた。またLLPW社長の風間ルミもシュートボクシング出身の格闘家だけに、同団体がアルティメット大会に足を踏み入れたのも必然と言っていいだろう。
風間と神取は大会開催に先駆けて94年12月16日、オクラホマ州タルサで開催された第4回UFC大会を視察。
大会当日の午前中にはグレイシー柔術セミナーに参加して、グレイシー柔術の総帥エリオ、エリオの長男ホリオンの指導を受けた。
さらに神取は大会直前の95年6月9~17日に渡米。UFC大会の第1、2、4回の覇者ホイス、エリオの甥のカーウソンに集中特訓を受けている。
大会のリングは六角形の金網を使用。無制限1本勝負のトーナメントで、勝敗はギブアップ、KO、ドクター・ストップ、セコンドのタオル投入によって決定。禁止行為は目突き、嚙みつき、レフェリーのダウンカウント中の相手への攻撃、脊髄への攻撃、寝技中の肘打ち(パンチ、スタンドでの肘打ちは可)、体へのオイル、ワセリンの塗布というシンプルなもの。パンチ可のためシューティング・グローブの着用が義務づけられ、柔道着、ニーパット、マウスピースの着用は自由とされた。
トーナメントにエントリーされたのはLLPWから神取忍、遠藤美月、全日本女子プロレスから堀田祐美子。海外からは91年にグンダレンコ・テレチコワのリングネームでFMWに女子プロ格闘家として参戦し、92年バルセロナ五輪代表、92年、95 年ヨーロッパ選手権優勝の実績を持つ柔道のグンダレンコ・スベトラーナ、ムエタイのミッシェル・アポロ、シュートファイティングのサンドラ・ユルビー、キックボクシングのフィニー・クルー、中国拳法のリズ・アフリカーノ。
L‒1が伝説の大会になったのは、第1試合で行われた堀田VS遠藤のインパクトが大きかったからだ。
プロレスラー同士の団体対抗戦の組み合わせになったが、試合内容は完全にアルティメット。マウントポジションを取った堀田が容赦なくヘッドバット、パンチを遠藤の顔面に叩き込むと、遠藤の顔はみるみる変形。それでもタップしない遠藤を見かねてセコンドがタオルを投入‥‥主催者の風間も目頭を押さえる壮絶な一戦だった。遠藤の変形した顔はアルティメットの恐ろしさを知らしめたのである。
注目の神取は白い柔道着を着用して、1回戦ではアフリカーノを胴締めスリーパーで42秒の秒殺。準決勝もクルーを胴締めスリーパーで56秒の秒殺。2試合合計タイムわずか1分38秒で決勝進出を決めた。
神取の相手として勝ち上がってきたのは、大方の予想通りグンダレンコだ。1回戦でアポロに肩固めで56秒勝利を飾ると、準決勝では遠藤に勝った堀田と対戦。得意のローキックで崩しにかかる堀田をパンチで圧倒し、140キロの体を浴びせてグラウンドに持ち込んで得意の肩固め。1分17秒で決勝進出を果たした。
優勝戦は柔道出身者同士の対決となったが、身長で25センチ、体重で48キロも劣る神取は、少しでも摑まれるリスクを回避するために、柔道着ではなく通常のプロレスのコスチュームで金網へ。そして組みつかれないように膝頭を狙っての前蹴りを繰り出したが、距離を詰められ、金網に押しつけられて万事休す。グランドに持ち込まれ、肩固めを極められると無念のギブアップだ。試合タイムは5分55秒。秒殺されなかったのがせめてもの救いだった。
LLPWにとって神取の最強神話が崩れたのはもちろんのこと、経済的なダメージも大きかった。優勝賞金は2万ドル(当時のレートで約220万円)だったが、捕らぬ狸の皮算用で神取の優勝によって戻ってくると信じていたからだ。
無謀とも言われたL‒1開催だったが、この大会が女子MMA(総合格闘技)の先駆けになったことは間違いない。
神取が雪辱したのは3年3カ月後の98年10月10日、両国国技館での第2回大会。トーナメントではなくワンマッチでの再戦だった。96年アトランタ五輪で5位になるなど、さらに実績を上げているグンダレンコに対し、元大相撲横綱の北尾光司相手に巨漢対策を練った神取は、アンダーポジションからのフロント・チョーク、バックマウントからの後頭部へのパンチなどで活路を見出し、最後はチョーク・スリーパーで勝利。風間、北尾と抱き合い、感涙にむせんだ。
文・小佐野景浩(おさの・かげひろ)元「週刊ゴング」編集長として数多くの団体・選手を取材・執筆。テレビなどコメンテーターとしても活躍。著書に「プロレス秘史」(徳間書店)などがある。
写真・山内猛
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