社会
Posted on 2026年03月18日 11:30

長野・松本で「ノジマ」が展開した「存在しない大学」入学祝コーナーの大盛り上がり!え、入試案内も就職実績も公式Xもあるって!?

2026年03月18日 11:30

 新生活応援フェアで「ご入学おめでとうございます」コーナーを設けた電器量販店「ノジマ」のイオンモール松本店。信州大学、松本大学、松本短期大学、松本看護大学と地元の顔なじみの大学名が並ぶ一覧を眺めていた客が、次の一行でふと首を傾げた。「国際信州学院大学」という聞き覚えのないその校名に、思わずスマホを取り出して検索。そこで知ることになる。この大学、存在しないのだ。

 信州大学に通うXユーザーが写真付きで3月17日に〈存在しない大学書いてる!!早く気づいて!!〉と投稿するや、瞬く間に拡散。リプライには〈偏差値80の秀才でも合格できるか非常に難しい超難関大学ではないか!!〉〈なぜか今、合格通知が届いた〉と、事情を知っている者たちが畳み掛けるように盛り上がった。

「事情を知っている者」が多いのには理由がある。この大学の歴史はすでに8年に及ぶからだ。「存在しない」のに、いったいどういうことなのか。
 コトの発端は2018年1月、匿名掲示板に立てられたスレッドだった。
〈受験シーズンだし安価で架空の大学を作って受験生釣ろうぜ〉
 この書き込みをきっかけに、複数のネットユーザーが手分けして長野県安曇野市を舞台にした架空大学を創り上げていった。大学名、学部構成、学校の歴史、果ては校歌まで。ほどなく公式サイト「kokushin-u.jp」が立ち上がり、入試案内や就職実績、学生生協までが整備された。

 国際コミュニケーション学部にはフランス語学科が設けられ、「日仏友好」を掲げる謎のこだわりは健在だ。歴代学長の紹介ページには7代目学長として「西村博之」の名まで登録されている。実際のひろゆき氏がフランス在住であることを思えば、なにやら符合めいたものを感じないでもないが、もちろん本人との関係は一切ない。

 その完成度は驚くべきもので、一見すると本物の地方私立大学にしか見えない。ただしよく読むと「歴代学長の名がヴィップク・オリティ」「学校の歴史に『2010年 学長 レーシック手術』」という珍記載が随所に挟まれている。
 大学自体は公式サイトでこう宣言している。
〈最近、インターネット上に本学が架空の大学であるかのように言及する情報が増えています。これは本学の公式見解ではありません。インターネット上には虚構情報も多くあります。架空の情報に騙されないようご注意ください〉
 架空大学が「架空と呼ぶのはフェイクだ」と主張する倒錯した構造こそが、このネタの真骨頂である。

 公式Xは7年以上にわたり真顔での運用が続いており、〈キャンパス内での爆竹使用は屋外イベントスペース・日中のみに限ります〉と、ガチの大学広報さながらの投稿を重ねてきた。今年1月には〈新年早々、本学公式のフォロワー数が6万人を突破しました。現在、本学は日本で4番目にフォロワー数の多い大学公式アカウントとなっています〉と誇らしげに告知。実在する大学のアカウントをほぼ抜き去った架空の雄が、ここにいる…。

 ではなぜ「ノジマ」はこの大学名を掲示したのか。公式な説明は今のところないが「意図的な仕込み」を疑う声は少なくない。
 信大生、松本大生が普段の買い物に訪れる地元密着のショッピングモールにこっそり紛れ込んだ、架空大学の入学祝い。笑いどころが分かる担当者がいるとすれば、なかなかの使い手である。

(ケン高田)

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