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記事全文を読む→江藤智から25年…広島カープ「サードの呪い」を解く「2年目の佐々木泰」に課せられた至上命題
いつの頃からか、広島カープに囁かれるようになった言葉がある。「サードの呪い」だ。冗談めかして語られるそれはしかし、数字で検証すると笑えない現実を突きつけてくる。
広島のサードにはかつて、黄金の系譜があった。「鉄人」衣笠祥雄が1987年に引退するまで、不動のレギュラーとしてサードを死守し、その後を山崎隆造が継いだ。1991年の優勝に貢献した山崎は、その年のベストナイン三塁手部門に名を連ねている。
そして1993年からサードの主となったのが江藤智だ。本塁打王2回、打点王1回、広島在籍時だけでベストナイン5回、ゴールデングラブ賞1回。広島の4番として君臨し、定位置を守り続けた。
その江藤が1999年オフ、巨人へFA移籍した。そこから始まる空白が、四半世紀近く埋まっていない。
2000年代から2010年代にかけては、広島の三塁手として様々な選手が名を連ねた。新井貴浩、東出輝裕、栗原健太、小窪哲也、梵英心、堂林翔太、安部友裕、ルナ。それぞれに力はあったが、誰もサードに根を張ることができなかった。
新井は一塁へ、東出は二塁へ、栗原も一塁へとコンバートされるか、あるいは定着前に出場機会が減っていく。さながら呪いがかけられたごとく、サードというポジションが選手を飲み込んでいくようだった。
2020年代に入ると、球団は外国人選手で穴を埋めようとした。だが、こちらも機能しなかった。2020年以降にサードで200打席以上に立った助っ人は、2023年のマット・デビッドソン(381打席)ただ一人。レイノルズとシャイナーは故障と不振でシーズンを全うできず、ファビアンは外野メインで起用された。四半世紀の空白を埋めようとした補強策は、ことごとく空振りに終わっているのだ。
そして…そこに現れたのが、2024年ドラフト外れ1位の佐々木泰だ。青山学院大学から鳴り物入りで入団した右打者は、ルーキーイヤーの2025年に54試合で打率2割7分1厘をマーク。
途中、故障による離脱はあったが、復帰後の9月に見せた15試合連続安打は、ベテランを唸らせた。数字もさることながら、サード守備で大きな期待を抱かせたのだ。
2026年、佐々木は開幕からレギュラー三塁手の最有力候補として、キャンプに臨んでいる。ようやく「江藤以来の打てるサード」という声が上がるようになり、チームのAクラス入りを占う上でも、佐々木のサード定着は至上命題と言うべきものになった。
もちろん、ルーキーイヤーの数字だけで「呪いが解けた」と言うのは早計だろう。江藤という選手がいかに傑出していたかを知る往年のファンほど、慎重に見守っている。それでもあの15試合連続安打の静かな迫力は、「もしかすると」という予感を抱かせるには十分だった。
広島のホットコーナーがまた輝く日は来るのか。2026年のマツダスタジアム、サードベースの傍らに立つ若者に、スタンドの視線が注がれる。
(ケン高田)
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