秋風が心地よく吹き抜け、家飲みが一段と楽しくなる10月。仕事終わりの晩酌や週末のリラックスタイムに「いつもとはひと味違う、極上の酒の肴を楽しみたい」と思ったらどうするか。もちろん酒場へ繰り出すのも悪くないが、自宅のキッチンで手軽にプロ顔負け...
記事全文を読む→里見浩太朗×原田龍二“「水戸黄門」ゴールデンコンビ”特別対談・上〈誰がなんと言おうと霊はいる!SP〉(3)「長七郎」から「忠臣蔵」へ
原田 確か1971年のことですけど、僕が生まれたのが1970年ですから。
里見 そんな若いの?
原田 といっても、もう僕は55歳です(笑)。その助さんをやりながら、里見さんはテレビ東京の「大江戸捜査網」をやるんですよね。
里見 三船プロのプロデューサーが東映に「里見浩太朗を貸してくれ」と言ってきた。「『大江戸捜査網』という時代劇を杉良主演でやってるんだけど、杉がやめたいって言うからやってくれないか」って。
原田 またですか(笑)。
里見 すぐ飽きるのかな。2本掛け持ちは普通ならありえない話だけど、「水戸黄門」のプロデューサーは考えてくれた。「よし、里見を土日月と三船プロに渡しましょう」と言ってくれたんですよ。金曜日の夜に東京に帰って、土曜日の朝から撮影して月曜日の夕方に京都に返すという約束。ところが、月曜日の夕方に終わるわけがない。必ず火曜日の朝までかかるんです。火曜日の朝一番の新幹線で京都に帰る。それを5年間続けた。毎週、京都〜東京間を行ったり来たり。どれだけ新幹線にお金を使ったか。時々ね、寝ちゃって新大阪まで行っちゃうこともあったけど。
原田 今だったら到底考えられないですよ。
里見 助さんだって主役みたいなもんでね。3日で1本のドラマが撮れるわけないと思ったけど、三船プロは頑張って撮ったんですよ。
原田 その「大江戸捜査網」は1974年から79年まで続きました。
里見 よく調べてるね。
原田 そのあと「長七郎天下ご免!」。テレビ朝日版の長七郎ですよ。
里見 そう。今度はテレ朝に移った。それがね、2クールなんですよ。だいたい9月頃に撮影は終わるんだけど、8月になっても次のシーズンをやるかやらないかテレ朝は言ってくれないの。当時の所属事務所の専務が夏にはヤキモキしていて「次に売るところが決まらないじゃないか。フジテレビと日本テレビが『里見を欲しい』って言ってるのに」と。それが2年続いて、ついに3年目に日テレに移籍したの。それで「長七郎江戸日記」が始まるわけです。その日テレへの移籍が年末時代劇スペシャルの「忠臣蔵」大石内蔵助役に繋がる。ラッキーでしたよ。
原田 番組の継ぎ目が人生の分岐点ですね。
里見 でもそれは僕が意図してやってるわけじゃない。誰かが動かしてくれてるんですよ。そういう点で見ると本当に人生って不思議だなと思いますよね。
原田 今、「二刀流」というと大谷選手のことを指しますが、二刀流の元祖は長七郎ですから。里見さんは「時代劇は愛と人情」と言いますけど、勧善懲悪の時代劇はなくなりました。
里見 何が時代劇で難しいかっていうと確実に悪い奴がいなきゃいけないし、その悪い奴に虐げられている人たちも必要。その虐げられている人を助けるヒーローがいなければいけない。この三者がうまいこといかないと時代劇にならないんですよ。「べらぼう」の脚本家の森下佳子さんと話したけど、時代劇の本質であるこの要素、今は入れられないと言ってました。「水戸黄門」というのはギリギリのところでうまく作ってるなと思いますね。「いや〜すごい」というシーンと「ん? これはよくある話だな」ということが重なっていく。ある程度のマンネリがあるからこそ、みんなが安心して楽しめるんです。
原田 里見さんは「この人出てきたら悪役」という顔をした役者がいなくなったと言ってましたよね。
里見 かつてのテレビ時代劇は最初から悪人はわかっていて、その悪人をヒーローがどうやって成敗するのかを見せるのが見せ場でした。でもその辺のことに視聴者が見飽きてしまったということなのかもしれませんね。
原田 まだまだ伺いたいことがたくさんあります。続きは次週でお願いします。
里見浩太朗(さとみ・こうたろう)1936年生まれ。56年「東映第三期ニューフェイス」として芸能界入り。翌年「天狗街道」で銀幕デビュー。東映時代劇の花形スターを経て、1971年より「水戸黄門」に佐々木助三郎役にて出演。「大江戸捜査網」「長七郎江戸日記」「忠臣蔵」などテレビ時代劇で大活躍、2002年からは「水戸黄門」五代目・水戸光圀役を9年にわたって演じた。5月14日には名古屋・御園座にて「里見浩太朗コンサート」を開催。現在も第一線で活躍を続ける最後の時代劇スターである。
原田龍二(はらだ・りゅうじ)1970年生まれ。東京都出身。92年ドラマ「キライじゃないぜ」で俳優デビュー。「水戸黄門」「相棒」シリーズなど出演多数。温泉バラエティ「湯一無二」(MX)のほかユーチューブ「ニンゲンTV」ではゴーストハンターとしても活躍中!
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