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記事全文を読む→【大相撲夏場所】大関・霧島が「鬼の鉄則」を守って評価爆上がりの陰に「インテリ親方の相撲IQ」注入
大相撲夏場所で2場所連続優勝を目指す大関・霧島が9日目(18日)に勝ち越しを決めた。寄り倒しで若元春に勝った一番は、土俵際で右小手投げを食らいながら「顔面から落ちた」ことで、その評価は一気に爆上がりだ。
相撲界には「倒れるなら顔から落ちろ」という「鬼の鉄則」がある。提唱したのは昭和の大横綱・大鵬だ。ベテラン相撲担当記者が言う。
「この教えを忠実に守り抜き、横綱まで昇進したのが千代の富士と貴乃花でした」
霧島はこの鉄則通りに顔から落ちた擦り傷による裂傷で流血。
「一瞬、クラッとなったけど、時間が経って良くなった。全然、大丈夫」
本人はそう言うが、仮に顔面を強打して内出血でもしたら、休場がありうる紙一重の事態だった。なにしろ霧島は首痛という爆弾を抱えているからだ。
2023年の名古屋場所で最初の大関昇進を果たしたものの、2024年春場所に負け越し。カド番となった夏場所では途中休場して、大関から陥落した。力士としての勤続疲労による「頸椎症性神経根症」の診断を受け、引退に直結する「頚椎損傷」と隣り合わせの日々を送ることになった。
事実、全く同じ症状で湊川親方(元大関・貴景勝)は、2024年の秋場所で引退。現在の霧島よりも若い28歳の時だ。
この大関復帰場所での優勝も見えてきた。過去に達成したのは2021年の夏場所、照ノ富士。それ以来、2人目の快挙となる。ともにモンゴル勢だ。
「霧島はモンゴル勢の中で『相撲IQ』は決して高い方とはいえませんでした」(日本相撲協会OB)
親方は「怒鳴り上げて鍛える」スタイルから脱却
モンゴルでの少年時代は「遊牧民一家」として過ごし、水汲みや家族の移動手段である馬に乗って生活。これで足腰が鍛えられたことによる、柔らかい身のこなしが売りだった。
そしてここに相撲IQを注入したのが、初代・霧島の陸奥部屋を継いだ音羽山親方(元横綱・鶴竜)である。
相撲では立ち会いで真正面から強く当たることが美徳とされるが、音羽山親方は霧島に「馬力だけではなくどう勝っていくか、考えよう」と課題を出した。
相撲界の師匠といえば「怒鳴り上げて鍛える」スタイルが定番だったが、「対話重視」で霧島の大関復帰を後押しした。
音羽山親方の父親は電気工学を教えていた大学教授で、モンゴル力士勢の中では異例のインテリ一家である。「顔から落ちろ」という大鵬伝授の相撲道に加え、横綱まで上り詰めた同郷の先輩である音羽山親方の相撲IQ注入で、霧島の2場所連続優勝が近づいてきた。
(小田龍司)
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