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記事全文を読む→外出先に設置されたUSBケーブルに接続・充電したら…スマホ・PC「勝手に文字入力」「画面が動く」「パスワード流出」
出張先のビジネスホテル。長い移動を終えてベッドに腰を下ろし、スマホを見ると電池残量は残りわずか。明日の予定も確認できないまま、枕元のUSB-Cケーブルへ手を伸ばす。
出張や旅行でこの動作をした人は少なくないだろう。だが、そのケーブルが何者かにすり替えられていたとしたら、接続中の操作を外部から記録・送信されるおそれがある。
アメリカの産業用CT企業Lumafieldはこれまで、セキュリティー研究者マイク・グローバーが開発した「O.MG Cable」というUSBケーブルの内部を、産業用CTスキャナーで撮影し、公開している。
外観は普通の充電ケーブルと変わらないが、コネクター内部には極小のマイクロプロセッサーとアンテナ、髪の毛ほどの細い配線でつながれた別の半導体部品が隠されていた。通常の二次元X線では捉えにくい内部構造を、3D CTで立体的に可視化したという。O.MG Cableは犯罪用ではなく、侵入テストや教育用に開発・販売されている機器である。
想定される手口は、端末に自分をキーボードのような入力機器だと認識させ、利用者が操作しているかのように命令を送り込むというものだ。接続中にIDやパスワードを入力すれば、その内容が外部へ送られる可能性がある。ただし実際の動作は接続先の機器やOS、セキュリティー設定によって異なり、差し込むだけで端末を支配できるわけではない。
問題は、出所不明のケーブルをどれだけ日常的に使うかだ。空港や商業施設のUSB充電口へ端末を直接つなぐ行為には、アメリカFBIや連邦通信委員会が注意を呼びかけてきた。
職場の会議室に置かれたケーブルを借りる、自宅の引き出しから購入先不明のケーブルを引っ張り出す。普段こうした行動をとっていた人はいるだろう。
陸上自衛隊で発生したマルウェア検出騒動
トレンドマイクロが追跡する攻撃グループ「Earth Harpy」の調査では、海外滞在中にノートPCに物理的に接触され、USB端子経由でマルウェアを侵入させられたケースが報告されている。利用者はUSBメモリーを使った記憶がなく、機器の種類は特定されていない。
陸上自衛隊でも、中部方面総監部のUSBメモリーからマルウェアが検出されたが、接続したシステムへの拡散や情報流出は確認されなかったと、陸自は説明している。改造ケーブルとは異なる事例だが、管理の曖昧なUSB機器の危うさは共通するのだ。
では、どのような対策をとればいいのか。まず、外出時は自分のACアダプターとケーブルを持ち歩き、コンセントから充電する。出所不明のケーブルは使わない。
自宅や職場の物には目印を付け、持ち主不明の物は排除しておく。充電だけが目的なら、電気のみを通してデータ通信を遮るUSBデータ遮断アダプターも選択肢だが、製品品質やUSB-C急速充電との相性で動作が変わる場合があるため、万能とはいえない。OSとセキュリティー機能は、常に最新を保っておくことが重要だ。
不審なケーブルを使った後に、勝手に文字が入力される、画面が意図せず動くなどの異変があれば、まずケーブルを抜く。会社の端末なら、情報システム担当へすぐ連絡した方がいい。次の出張の荷造りで、カバンに自分の充電器とケーブルが入っているか。確認は数秒で済む。
(ケン高田)
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