芸能
Posted on 2016年09月15日 05:57

「消えた主役」名作ドラマ・映画の知られざる“交代劇”(6)岸田敏志 幻に終わった「3年B組金八先生」の第1作主演

2016年09月15日 05:57

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 日本の学園ドラマに一石を投じたのが「3年B組金八先生」(TBS系)だ。武田鉄矢の新たな教師像とともに、足かけ32年ものロングランになった。そんな名作の、幻の初代候補が岸田敏志(63)だった。

── 79年には「きみの朝」がチャート1位に輝く大ヒットを記録しました。しかも、新人歌手の役で「愛と喝采と」(TBS系)にも出演。

岸田 当時のニューミュージックのアーティストは、テレビに出ない主義だったんです。僕に依頼が来た時も、てっきり主題歌の話かと思っていたら、まさかドラマに出てくれと(笑)。

── 俳優のほうは断れなかったんですか?

岸田 まだ新人ですから、そんな権利はありません。ドラマは木曜22時の枠で、その前の21時からは「ザ・ベストテン」が大人気。注目曲を紹介する「今週のスポットライト」のコーナーに僕が出て、その場面を直後のドラマで挿入してましたね。そこから一気に「きみの朝」が売れました。

── ドラマは7月に終了し、10月からのクールで「3年B組金八先生」が始まります。本来、その主役に抜擢されていたと聞いたことがあります。

岸田 僕が出たドラマと同じ柳井満プロデューサーだったんです。秋から新たな学園ドラマを作りたい。ついては主演に‥‥という話を事務所のほうにされたみたいで。

── 本人には知らされていなかったんですか?

岸田 あとになって聞きました。金曜の夜8時は「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)が圧倒的な視聴率を誇っていて、それに対抗するために「金八」というネーミングだったそうです。

── なぜ「初代・金八先生」の話が流れてしまったんでしょう?

岸田 僕の「きみの朝」が売れたので、全国でコンサートの予定がぎっしりと入り、ドラマ収録のスケジュールが取れないと。事務所は代案として「武田鉄矢なら教員の資格も持っているし、スケジュールも落ち着いています」と持ち掛けたんです。

── 独特の言い回しもあって、完全に「鉄矢=金八」になりましたね。

岸田 鉄矢さんじゃなかったら、あれほど長く続くシリーズになっていなかったと思います。そうそう、実は鉄矢さんが詞を書いた「贈る言葉」にメロディをつけるように言われたんです。僕が歌うのかなと思って、いつもの歌い上げる感じで曲を書いたら鉄矢さんに「難しくて歌えない」と言われました。それで「海援隊」の千葉和臣さんが新たに曲を書いたんです。

── 鉄矢版の「金八」が終了し、80年4月からは「1年B組新八先生」で晴れて主演を射止めました。

岸田 前のドラマはセリフも少なかったけど、これは自分で回していく。鉄矢さんを新宿の喫茶店に呼び出してアドバイスを求めたら「お前の岡山弁が出てもかまわないから」とだけ言われましたね。

── 初主演も好評に終わり、そして今年はデビュー40周年を迎えました。

岸田 歌だけでなく、ミュージカルや「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)にも出させていただいたのは、新人ながらドラマ出演の経験があったからと感謝しています。

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