スポーツ

ロンドン五輪テレビには映らない「場外」決勝戦(3)

8種類ものシューズを用意

 内村が受けた「アウェーの洗礼」は、レスリング界の女王、55キロ級の吉田沙保里(29)にも及んでいた。

「五輪3連覇の偉業を目指す吉田も、マットの硬さに悩んでいます。過去の世界大会や五輪でも、実力が抜きんでている吉田を苦しめる環境がありました。いわゆる“吉田対策”でマットを柔らかくしたと言われ、それによって、タックルのスピードを少しでも殺すのが目的なのです。ただ、今回は吉田も想定済みで、柔らかなマットで自慢のスピードがそぎ落とされることを計算に入れて調整しています」(前出・スポーツライター)

 さらには、ハンマー投げの室伏広治(37)にも試練は襲いかかる。昨年の世界選手権では、大会史上最年長で金メダルに輝き、アテネ五輪&世界選手権の2冠を達成した実力者だけに、

「室伏の強い希望で、ハンマー投げでは初となる雨天用シューズをミズノに開発してもらいました。その背景には、雨の多いロンドンの気候ということだけでなく、アウェー対策がある。投てきの際のサークルの路面(タータン)がヨーロッパ仕様であり、宿敵たるヨーロッパ勢の得意な形状になりうるのです。そのため、未体験の室伏は本番用に8種類のシューズを用意しました」(陸上ライター)

 室伏の強さの秘密といえば、誰もマネできない、サークル内での高速4回転。ヨーロッパ仕様の路面に対するソールの弾力性と硬度を計算し、ソール部分がザラザラしたものとそうでないものを用意した。ザラザラの大きさにも数種類あるという。こうした対策を余儀なくされたことに、

「世界で統一されていれば苦労はない。有力選手の室伏にメダルを獲らせまいとするヨーロッパの謀略だ、との説まで出るほどです」(前出・陸上ライター)

 やまとなでしこ旋風の先陣を担った女子柔道「4姉妹」。長女は48キロ級の福見友子(27)だ。前出の満薗氏はこう話す。

「印象的だったのが、先陣のプレッシャーはないのかと聞かれ『いちばん最初でよかった。待つよりもいい』との返答でした。10年前、高校2年生の時に、当時、国内12年間無敗だった谷亮子を破って注目されました。しかし、その後も常に谷が立ちはだかり、07年には再び谷を破りましたが、実績重視で世界選手権の代表を谷に譲りました。3歳の時に交通事故で父親を亡くし、ずっと五輪での活躍を夢みてきたんです」

 北京五輪で銅メダルだった52キロ級の中村美里(23)は「笑わない女王」として本大会に挑んだ。

「父親から『金メダルを狙うなら、簡単に笑って喜ぶな』と少女時代に教えられて以来、めったに笑いません。だから、『ロンドンで金を獲って笑いたい』と誓って臨んでいました」(前出・テレビ中継スタッフ)

 57キロ級の松本薫(24)は超攻撃的スタイルを貫いた。

「松本の前では皆、逃げ出す、というのが定説です。しかも、彼女は場外まで追っかけるなど、野性的攻撃スタイル。海外にもファンが多いのです」(前出・スポーツライター)

 そして4人目は、70キロ級で過去に五輪2連覇を遂げた上野雅恵の実姉で、63キロ級の上野順恵(29)だ。

 五輪前に現役引退を宣言したバドミントン混合ダブルスの潮田玲子(28)は、神経質な性格が問題となった。前出・スポーツ紙五輪担当記者が言う。

「室内の空調設備に細心の注意を払い、ピリピリしています。通常は無風の状態にしなければいけないのに、どうも今回はそうではないとの情報が出たせいです。シャトルの揺れは本当に微妙に影響し、“ネット際の魔術師”と呼ばれた潮田にとっては大問題だからです」

 不安定な精神状態からか、ブログではJリーガーの彼氏あてと思われるこんなラブメッセージも。〈君の優しさや活躍が刺激になった。ありがとう〉

 恋愛パワーを試合で生かせるか──。

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