社会
Posted on 2016年12月28日 17:55

アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.2(3)三文役者、従軍カメラマンが見た「戦場の外のベトナム」

2016年12月28日 17:55

2016_60th_f

 ベトナム戦争が激しさを加えると、アサヒ芸能は独自の切り口で現地報道を行った。その第1弾として、戦場カメラマンの草分けでピューリッツア賞を受賞した沢田教一氏は、連載「新日本・夜の五十三次」番外編に『ベトナムの“バカヌク娘”万歳!』を発表している。

 前述のアサヒ芸能1965年7月4日号のルポで沢田氏は、サイゴンのバーにたむろする戦場帰りのアメリカ兵の姿を描写している。

〈その若いGIは荒れていた。荒れ狂っていた。私が入った一軒のバーで、彼は昼間から飲んでいたらしい。が、私にはすぐわかった。彼は恐怖に脅えているのだ。酒も女も、彼の恐怖をまぎらわすことはできない〉

 タイトルの「バカヌク」とはベトナム語でソノことである。

「三文役者」を自称する俳優・殿山泰司氏もアサヒ芸能65年8月1日号から東南アジア寄稿を連載し、その第1回で『三文役者のサイゴン日記』を寄稿している。ベトナム戦争の真っ只中でも、タイちゃんの筆は戦場の外に向かう。

〈午后10時、フロントへ降りてビアでも飲むか。そうしましょう。ふたたび階段をアメリカとすれちがいながら降りる。アイシャドーのベトナム娘が上がってくる。慰安所だなココは〉

 殿山氏がアメリカ兵と与太話しているうちに、同行カメラマンがアメリカ人に胸倉をつかまれている。そして、力づくでカメラからフィルムを抜きとってしまった。

 ユーモラスな中にも、映画『裸の島』で世界的な評価を受けた名優らしい、鋭いまなざしが光っている名文だ。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    スポーツ
    2026年07月27日 11:00

    二転三転したサッカー日本代表の次期監督問題、どうもスッキリしないのはなぜか。日本サッカー協会(JFA)は北中米W杯で指揮を執った森保一監督を、来年1月に開幕するアジアカップ(2027年1月7日から2月5日・サウジアラビア))まで続投させるこ...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年07月28日 14:30

    中日ドラゴンズの元投手で、タレントなどで活躍した板東英二さんが7月22日に慢性心不全のため死去していたと、7月28日に公式サイトで発表した。86歳だった。1940年4月生まれ、満州出身で戦後は徳島県で育った。徳島商時代にエース投手でプレーし...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年07月29日 11:30

    コロラド・ロッキーズの菅野智之が「夏の主役」となりそうだ。メジャーリーグ各球団が期限ギリギリになると、駆け込みトレードを次々と成立させている。優勝争いから脱落したチームが主力選手を手放し、その見返りとして将来性の高い若手選手を複数人もらう。...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/7/21発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク