スポーツ
Posted on 2018年08月25日 09:56

福本豊×江夏豊「プロ野球豪快放談」<「最近の球界」にモノ申す編>(1)余計なルールで下手になった

2018年08月25日 09:56

 「阪神再建論」に続き、球界のレジェンドによる激辛トーク第2弾は、新ルールや選手たちの技量、独走カープ、弱体化する巨人に至るまでを一刀両断。球界の問題点に鋭く切り込むズバズバ指摘に、大きくうなずいてしまうのだった。

福本 最近のプロ野球は、歯がゆいことが多いわ。俺らの時代のほうが、やんちゃな選手も多かったし、やるかやられるかの雰囲気があったけどな。

江夏 今ほど野球が複雑じゃなかった。もっと単純で、男がやる野球というイメージ。だから選手には個性がないと。今は選手が真面目で優等生すぎる。

福本 昔の選手はグラウンドの外でも元気があった。その代わり、ちょっとぐらいのことでは試合を休まん。今みたいに「違和感」や「張り」で休むなんて考えられんかったわ。

江夏 今はみんな右向けと言われれば右を向く。我々の時代は知らん顔して左向く、もっとひどい者は後ろ向く。そんなチームをまとめるのがいい監督だと言われとった。

福本 阪急が強かった時も、一見バラバラでやっているようで、試合になればチームが一つに結束していく感じがあったよ。

江夏 阪急の黄金時代は、個性にあふれた選手ばかりだった。それがまとまって、一つのチームになった時は強かったな。

福本 みんな一匹狼やったわ。阪急に限らず、どこのチームもそう。チームプレーはするけど、好き勝手やっとった。僕が大熊さんと1、2番を組んでた時は、二人で盗塁やエンドラン、バントなどのサインを決めてやっていた。

江夏 そういう野球は、今は考えられない。監督やベンチからの指示で動くだけだから。

福本 最近は仲よしこよしの野球になっている部分がある。他のチームの選手との合同自主トレが報道されたりするけど、アレってどうなんやろ。どこで誰と練習してもいいけど、黙っとけと。誰に教わりましたとか、言わんでもエエし。

江夏 それは報道が発展しすぎたのも一つの理由。我々の時代はそういう細かいとこまでは報道しなかった。選手同士の仲がいいことは悪いことでないと思うけど、勝負において和気あいあいとなってはいけない。

福本 今はなれ合いになっているから、頭付近にボールが来ても「オイ、コラッ!!」というのが少ない。頭に1回でも当たったら、それでチーンやのに。休まなアカンし、下手したら野球生命が終わってしまう。

江夏 昔はグラウンドにもっとギラギラしたものが残ってたな。

福本 本塁のタックルやブロック、危険なスライディングがアカンとか、よけいなルールが多なった。ジャンピングスローでパッと逃げるのも一つの技術。ルールに守られてると逃げ方が下手になるし、油断してたら大ケガにつながってしまう。危ないプレーをルールで禁止しとるけど、そもそも野球は投手が硬いボールを投げる、危険なスポーツなんやから。

江夏 確かにプロの技を見せる機会が減っているし、そういう技術もどんどん下手になってくる。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/8/5発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク