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Posted on 2026年01月08日 07:00

J2ブラウブリッツ秋田とJリーグが激突する「新スタジアム建設」税金投入問題「観客1人がもたらす収益666円」どうする!?

2026年01月08日 07:00

 秋田県秋田市が進めているJ2ブラウブリッツ秋田の新スタジアム構想をめぐり、Jリーグへの不信感が強まっている。発端はJリーグ側が、秋田がJ1に昇格した場合に「1万人規模では志が低い」として、1万5000人クラスのスタジアム建設を求めたことだ。地方都市にとってスタジアムの規模はそのまま、税負担に直結する。
 
 この問題の背景にあるのが、Jリーグのトップたる野々村芳和チェアマンの発言だ。秋田放送のインタビューで、スタジアム建設に自治体の税金が使われる可能性について「地域で時間をかけて話し合うべきだ」と語ったのだ。賛成とも反対とも言わず、最終的な判断は地域に委ねるという立場である。さらに野々村氏は、Jリーグのクラブの多くが、自治体が整備したスタジアムを使っている現状に触れた。リーグが公費と無縁ではないことを、はっきりと示した格好だ。

 インタビューでは「税リーグと呼ばれている」「税金ありきではないのか」という問いが投げかけられた。野々村氏はこれに「地域によって違う」と繰り返すだけで、はっきり否定することはなかった。リーグが求める基準と、誰が払うのかという話が、どこか噛み合っていないようだった。
 
 札幌ドームの前例も、秋田のサポーターが警戒する理由のひとつだ。野々村氏はコンサドーレ札幌のフロント時代、札幌ドームの使用料をめぐって、次のように公言した。
「この使用料をなんとか協力して、安くしてほしいと思っている。それがどうしても無理というのなら、地域でスポーツクラブを育てようという意識がない、と思うしかない」
 コンサドーレは札幌市が所有する札幌ドームを本拠地として戦ってきた。一方で同じ札幌ドームを使っていたプロ野球の日本ハムは、使用条件や収益構造への不満を理由に、北広島市へと本拠地を移した。公的な施設とプロスポーツの関係がこじれた象徴的な例である。

 数字を見ると、秋田の現実はさらに鮮明になる。ブラウブリッツ秋田の2024年度の入場料収入は約5500万円だった。J2リーグとルヴァン杯を合わせたホームの年間入場者は8万2571人で、入場料収入を単純に割ると、1人あたり約666円。つまり、これが1人の観客がもたらす収益だ。

 同じような構図は、他の地域にも広く見られる。ツエーゲン金沢のゴーゴーカレースタジアムは約1万人規模だが、建設費の大半は自治体が負担した。FC今治の里山スタジアムは民間主導とされるものの、今治市が土地を無償で貸し、周辺整備には公費が使われている。V・ファーレン長崎のスタジアムシティのように民間が大きく投資する例もあるが、全国的には少数派だ。Jリーグのスタジアムの多くは、形は違っても自治体の支えの上に成り立っている。
 それでもリーグは、J1基準や観客席数といった条件だけは明示してくる。一方でそのスタジアムをどう維持し、誰がどこまで負担するのかについては「地域で話し合うべき」という言葉に委ねられたままだ。秋田が直面しているのは、まさにこのギャップである。
 
 年間1万人余りが観戦し、1人あたりの入場料が数百円という現実のもと、1万5000人規模のスタジアムをどう支えるのか。その費用をどこまで市民が負うのか。秋田の新スタジアム問題は、Jリーグが税金とどう向き合うのかを問い直す場になっている。

(ケン高田)

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