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記事全文を読む→トヨタ「新型ハイエース」は今度こそ買えるのか…海外に持っていったら高く売れる「優良資産」
朝5時、建設現場に白いハイエースが並ぶ。昼はコンビニで黒いカスタム仕様が目立ち、週末は道の駅で車中泊仕様がひっそりと夜を明かす。どこにでもいるのに、いざ買おうとすると手に入らない。そんな車がまた、話題になっている。
トヨタは6月18日にバン・ワゴン・コミューターを一部改良し、7月1日に発売した。中身は座席まわりの安全基準UN-R17への対応が中心で、大きな変化はない。価格はバン286万円から、ワゴン335万600円から、コミューター376万2000円からと、今年1月の大幅改良時から全く変わっていない。それでも発表のたびに問い合わせが跳ねる。中身以上に「今度こそ買えるかも」という空気が、人を動かしているのだ。
人気の理由はひとつではない。まず、荷室が広く頑丈なこと。多少、手荒に扱っても壊れない働きぶりは、職人や配送業者にとって代わりが利かない。個人にとっても、サーフィンや車中泊の道具をそのまま積める「移動する基地」になる。車高を下げ、ベッドキットを組む。そんなカスタム文化が根強く息づいている。
なにより大きいのが、リセールの良さだ。なにしろ10万キロ、15万キロを超える過走行でも値落ちしにくい。しかも中東やアフリカ、東南アジアでは実用車としての需要が高く、国内で欲しい人と海外へ運びたい人が、同じ台数を奪い合う。裏を返せばこの換金性の高さは、盗難リスクと表裏一体だ。警察庁の統計によれば、ハイエースは車種別盗難台数の上位常連である。
商用車専用化を完了するのは「2027年末を目標に」
だが今、「欲しい」を最も煽っているのは、単純に「車がない」という事実だ。トヨタが掲げる月間目標は4500台。ところが実際の年間登録台数は、2023年1万1102台、2024年7087台、2025年8989台。月平均にすれば1000台に届かない。
2024年のエンジン認証不正と新安全基準への対応で生産が止まり、再開後は法人やリースのまとめ発注が先に枠を埋めてしまう。この悪循環が今も続いているのだ。
生産を担う工場はアルファードやヴォクシーと枠を奪い合っており、商用車専用化の完了は2027年末の目標と、まだ先だ。「次、いつ買えるか分からない」という不安が、争奪戦をさらに激しくしているのである。
現在は注文できても、納期は1年程度が見込まれるという。残念ながら、いち早く手に入れる裏技や魔法はないが、やれることはある。販売店をひとつに絞らず、系列の違う店もあたるのだ。グレードや色へのこだわりを緩め、キャンセル待ちすることを担当者に正式に伝えておく。新車にこだわらないなら、登録済未使用車や中古、専門店やリース落ちまで網を広げる。ただしこの場合、未使用車のプレミア価格は、冷静に見極めたい。
ハイエースはただの古い商用バンではない。働く人の道具であり、遊びの基地であり、海外で値のつく資産である。作る側がまるで追いついていない今、手に入れる近道はないが、誰よりも早く動くことより、誰よりも地道に広く探し続けることがモノを言うのだ。
(ケン高田)
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