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田宮は作家・山崎豊子と、こんな会話をしている。田宮が主演の万俵鉄平役を熱望した「華麗なる一族」(74年、東宝)についてである。
「鉄平の死に方は純粋で男らしく、壮絶ですね。猟銃の引き金を足で引いて、至近距離で撃てば、顔がつぶれないというのは本当ですか?」
鉄平は雪山の中で松の木の幹に座り、引き金を引く。田宮の問いに、山崎はハッとしたように答えた。
「実はあの場面、最初は顎の下に銃口を当て、足で引き金を引くと、鉄平の顔がザクロのように砕け散ったと書いて出稿しました。けど、どうも気になって、大阪府警本部の鑑識課へ取材に行くと、顎の下に至近距離で撃った場合は、弾はすぽっと頭を抜けて、後ろの松の木の幹に当たって弾けるのが普通ですよ、と教えられて、慌てて原稿を書き直しました」
この言葉を聞いた田宮の目が輝いた。
「そうですか、顎も顔も砕けないで、弾はすぽっと抜けるのですか。美しい死に方ですね」
これが「伏線」となり、事実、田宮の遺体も、顔には傷がついていなかった。
そんな田宮を死に向かわせた要因に、自身の「躁うつ病」への激しい自責の念がある。躁状態の時は怪しい詐欺師に踊らされ、「M資金」などに大金をつぎ込んだ。躁状態は別名「浪費病」とも呼ぶそうで、愛人と噂された女優にマンションの1部屋を買い与えた。
さらに、最愛の夫人にも信じられない行動を取ってしまう。
「夫婦でありながら田宮は、いつも私がどこにいるか、家の実印がどこにあるかを探すようになりました。そしてある日、私は胸ぐらを掴まれ、階段から突き飛ばされそうになった時に、このままでは殺されてしまうと思いました。脱兎のごとく家から逃げ出しましたが、最も心から大事にしている私に‥‥。それはもう、狂気の沙汰でした」
田宮は詐欺師とも愛人とも、関係を断った。激しいうつ病でセリフが頭に入らない状態ながらも、最後はガン闘病シーンのために3日間の絶食を課し、「白い巨塔」の全31話を撮り切った。
それまで田宮を評価しなかった勝新太郎も、同作の共演者で夫人の中村玉緒にこう告げている。
「あの田宮はすごい。あの田宮は恐ろしいよ」
田宮の鬼気迫る演技は役者人生の集大成となり、没後に放映された最終話は〈田宮さん御逝去を悼む〉のテロップを入れ、31.4%もの高視聴率を記録した。
さて、撮影終了を前に夫婦仲を取り戻した田宮と幸子夫人であったが、夫人には思い当たる節があった。
「寝室へ入ると田宮は上半身を起こして、ノートにいつも何かを書いていました。あの長い遺書は、時間をかけて書きためていたんだと思います」
田宮二郎らしい人生の締めくくりであった。
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