社会

パチンコ必勝法詐欺極ワル全手口(2)事務所で“練習”、納得させる

 恵庭市やさくら市の事例のような数百万程度の被害は氷山の一角。中には被害額数千万円に及ぶケースもあるという。

「いくら『出ないんです』と報告しても『おかしいですね、お客さんの打ち方が悪いんじゃないですか』などと丸め込まれてしまう。そのうえ、『もっと簡単でよく出るいいコースがある』と、登録変えを勧められ、数十万円をまたしてもズルズルとムシリ取られてしまうのです」(前出・徳田氏)

 他人からすれば「なぜ気づかないのか?」と思うようなセールストークでも、振り込め詐欺同様、ダマシのプロの常套手段に被害者があとを絶たないのだ。「パチンコ必勝ガイド」元編集長でパチンコライターの大嵜一万発氏がさらに別の手口を明かす。

「打ち子詐欺の他に、『この打ち方で絶対パチンコに勝てる』攻略法を実際に売る『攻略法詐欺』もあります。数年前には、実際に攻略法を教えると言って堂々と呼び出すという手口の詐欺もありました。事務所に行くとパチンコ台が並べてあって、止め打ちをするなど指示どおりの打ち方をすると大当たりする。これは基盤を改造した台を実際に打たせて被害者を納得させるという大胆な手口です」

 他に「携帯電話に特殊なメールを送るとパチンコ台が反応し大当たりする」「ホールコンピュータを遠隔操作し出玉を操作する」など、もっともらしい理屈でダマす手口もあるという。

「ダマし取る金額も、最初に30万円など大金を出させ、あとは『大金を投じて当たらなかったおわびに値引きしますから』とさらに数万ずつツマむものから、最初は無料で『攻略法』を教え、当たらずにいると『取って置きの方法がある』と100万円単位で出させる手口もある。まさに機を見るに敏な詐欺師の手口です」(前出・大嵜氏)

 被害者がズルズルと金を引っ張られてしまうのは「毒を食らわば皿まで」の心境か「それだけ高額な攻略法であればきっと‥‥」と思い込んでしまうのか。

「最初の電話で運転免許証を確認されたり、志望動機を言わせたり“審査”をしたうえで『おめでとうございます。採用です』と伝えられたりと手の込んだ手口にダマされるケースもある。とにかく被害にあうのはパチンコに詳しくなく、そうしたことで催眠にかかりやすい人です」(前出・徳田氏)

 前出・大嵜氏もこう警鐘を鳴らす。

「自分も素人の時はドル箱を20~30箱も積んでいるのを見て『パチプロだけが知っている裏技があるに違いない』と思っていました。こうした詐欺被害にあう人には『パチンコは裏操作や遠隔操作で出している』と信じて疑わない陰謀論者も多い。だから、それを特別に教えてあげると言われると、たちまち引っ掛かってしまうんです」

 いわば、パチンコファンの「心の闇」に魔の手口は絶大な効果を及ぼすのだ。

カテゴリー: 社会   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「踊る大捜査線」シリーズ新作で「続編出演確定」の織田裕二と「後遺症苦」深津絵里の明暗
2
生放送中のスタジオで「ドスン!」また倒れた小室瑛莉子アナ…フジテレビの女子アナ「使い倒し」
3
サヨナラJ1…コンサドーレ札幌は史上最悪の「給料ドロボー集め」でJ2降格「99%決定」
4
大暴走「撮り鉄」が「下げてから言え」絶叫!横浜駅が罵声大会になった「ハイビーム」をめぐる攻防
5
田中将大「仙台で野球教室イベント」登場に地元ファンが「今さら遅すぎる」の嘆き