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記事全文を読む→アメリカ議会「同盟国の日本を救え!」中国非難決議案にトランプ大統領が無反応な「習近平とのビジネス」事情
台湾有事にまつわる高市早苗首相の「存立危機事態」発言に端を発した中国の猛反発が続く。だが肝心の同盟国アメリカのトランプ大統領は、表向きは沈黙しており、中国の反発はエスカレートするばかり。見かねた米議会上院の外交委員会の与野党(共和党、民主党)議員がこのほど、日本を支持する決議案を提出した。
アメリカ特派員が解説する。
「決議案は、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射問題などを挙げて『中国による経済的、軍事的、外交的な威圧を非難する』というもの。これはトランプ大統領の意向に基づくものか、アメリカの議員らが深刻な事態を懸念しての独自のものかは明らかではないのですが、議会人の間で『同盟国を救え!』という声が高まっているのは間違いありません」
こじれていた米中貿易摩擦は10月の韓国での6年ぶりの直接会談でようやく動き出し、双方が激突(アメリカは中国への高関税発動延期、中国はレアアースの輸出規制を延期)を回避。さらに来年にはトランプ大統領と習金平主席が互いに、両国を国賓待遇で訪問することを約束した。
元アメリカ大使館関係者が言う。
「トランプ大統領は来年11月の中間選挙を控え、中国との通商交渉がうまくいけば、かなりのプラスになるとみています。だから今回の日中対立には、表立って首を突っ込まない姿勢です」
事実、11月25日に高市首相とトランプ大統領が電話会談をした際、高市首相は「台湾発言は慎重に」と釘を刺された。
そのトランプ大統領だが、世界的調査会社イプソス(仏)が実施した12月の最新世論調査で支持率は39%と、2期目で最低となった。外交アナリストが指摘する。
「この支持率低下は、アメリカの中間層が『普通に暮らせない』『食料が買えない』とトランプ経済政策にノーを突き付けているから。関税引き上げで仮に日本円で何兆円入ったと喧伝しても、足元の実体経済がボロボロならば、国民の不満は高まるばかりです。その意味でもトランプ大統領は、経済の立て直しに必死であり、だから米中関係再構築に躍起になっているわけです」
そして、こうも言うのだった。
「米中関係が大事なことは十分にわかる。関税政策が大事なこともわかる。しかし同時に重要なのは、同盟国を大事にすることです」
ところで今回のアメリカ議会議決をまとめたひとり、共和党議員のピート・リケッツ氏は、鈴木誠也や今永昇太が属する大リーグ、シカゴ・カブスのオーナー一族であり、小泉進次郎防衛相とは野球談議ができる仲だとされる。この決議はトランプ大統領に、どんな影響をもたらすか。
日米中の混乱と紛糾が、最後は人と人とのつながりで解決の道筋が見えてくるよう期待したい。
(田村建光)
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