芸能
Posted on 2025年12月30日 10:03

“クレイジーケンバンド横山剣プロデュース”不適切な「昭和紅白歌合戦」で年越しだ!(4)「ホテル」は現代では反社会的

2025年12月30日 10:03

 実は僕には、還暦を過ぎてからようやく好きだったと告白できるようになったジャンルがあります。それがフォークやニューミュージックの世界です。

 中学の頃、僕はチャリンコ暴走族・毒瓦斯を結成。革ジャン、リーゼントにキャッツアイのサングラスをキメてキャロルのコピーバンドも始めました。だから口が裂けても軟弱フォークを好きだとは言えません。ところがチャリンコ暴走族のメンバーたちも家に帰ると、井上陽水や南こうせつとかぐや姫などのフォークを聴いていた。もちろん誰にも内緒で(笑)。

 かぐや姫の「神田川」などは情緒があり、絵が目に浮かんでくるようです。その陰にはエロスも垣間見ることができる。その淫靡な感じが昭和歌謡にも通じる魅力ですね。

「オフコース」は79年、小田和正さんと鈴木康博さんのデュオから、3人のメンバーを加えてバンドへと進化。面識のあるメンバーが参加していることもあり、僕は初めて「オフコース」の音源に向き合い、「さよなら」の洗練されたサウンドの虜になりました。「Yes–No」もまたフェイバリット。昭和を彩る素晴らしいナンバーと言ってもいいでしょう。

 さてさて、いよいよ宴もたけなわ。昭和歌謡を締めくくるにふさわしい名曲を2曲、紹介しましょう。

 それは中条きよしさん(79)の「うそ」と島津ゆたかさん(78)の「ホテル」です。「うそ」は、騙す側の男性のイメージを寸分たがわず体現する色男の中条さんが、騙される側の女性に憑依して女言葉でその心情を歌い上げるD級難度の名曲です。平尾昌晃さんが紡ぐ16ビートを生かした符割は演歌というより、R&Bに近い。

 一方、不倫とストーキングをモチーフにした「ホテル」は、令和の今の時代にはとてつもなく反社会的に聞こえるかもしれません。爆発寸前の女性の感情を女性の一人称で語られる恐ろしくも深い歌詞は、なかにし礼さんにしか書けません。

 どうです!? こんなしっぽりした昭和歌謡で記念すべき“昭和100年”を締めくくるのもいいんじゃないでしょうか。

横山剣(よこやま・けん)ご存知〈俺の話を聞け!〉「タイガー&ドラゴン」でスマッシュヒットを放ったクレイジーケンバンドのフロントマン。今年9月に発売した25枚目アルバム「華麗」を引っ提げ、全国ツアーを敢行中! ライブで行われる「昭和歌謡イイネ!」のコーナーも大好評!

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