事件
Posted on 2026年05月15日 13:00

「磐越道バス死亡事故」事故5回連続の運転手に警察が「免許返納」を促しても拒否された「高齢ドライバー問題の限界」

2026年05月15日 13:00

 部活動の遠征中に高校生21人が死傷した 福島県の磐越自動車道バス事故で、新たな事実が次々と明らかになっている。新潟県胎内市の無職・若山哲夫容疑者は、マイクロバスを運転中にガードレールなどへ衝突し、高校生1人が死亡。捜査関係者によると、逮捕された若山容疑者は4月以降だけで少なくとも5回、事故を起こしていたという。

 ところが警察の取り調べには「直近の事故歴はない」と説明。さらに新潟県警が4月、2回にわたり免許返納を促していたことも判明した。県警は1年間に3回以上、事故を起こした65歳以上の高齢者に返納を促しており、若山容疑者宅を警察官が直接訪問。それでも運転は続けられていた。

 今回の悲惨な事故で浮かび上がるのは「事故を起こしても運転をやめない高齢者」の実態だ。高齢ドライバー事故ではしばしば、「ぶつけた認識が薄い」「大した事故ではないと思っている」ケースが指摘される。本人の中では「事故」ではなく「ちょっとこすっただけ」という認識になっていることが少なくないからだ。

 若山容疑者の「直近の事故歴はない」という供述についても、単なる虚偽説明ではなく、事故という認識そのものが曖昧になっていた可能性がある、との指摘が出ている。

返納を促しても「その後の生活」までは面倒を見られない

 とはいえ、問題は単純ではない。地方都市では車はぜいたく品ではなく、生活インフラだからだ。特に福島県や新潟県のようなエリアでは、車がなければ通院も買い物も難しい地域が珍しくない。バス路線は減少し、タクシー不足は深刻化。高齢者にとって免許返納は「移動手段を失うこと」とほぼ同義になっている。

 そのため家族が返納を勧めても「病院に行けなくなる」「スーパーが遠い」「周囲に頼れない」という理由から、運転を続ける高齢者はあとを絶たない。つまり現在の制度は「危険だから返納してください」と促すことはできても、その後の生活までは支え切れていないのだ。

 事故を5回も繰り返してなお、危険を止められない現実。磐越道バス事故は、日本の高齢ドライバー問題の「限界」を突きつけている。

(カワノアユミ)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2013年11月26日 10:00

    11月8日、歌手・島倉千代子(享年75)が肝臓ガンで死去した。島倉といえば、演歌の王道を歩むように、その生き様は苦労の連続だった。中でも、莫大な借金返済で味わった地獄は理不尽極まりなかったようで──。島倉は、男を信じて手形の保証人となったせ...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年04月28日 16:30

    バナナマンの日村勇紀が当面の間休養に専念すると、所属事務所ホリプロコムの公式サイトで発表した。今年に入ってから体調を崩すことが多く、医療機関を受診した結果、休養が必要との判断に至ったのだという。「心身の回復を第一に、コンディションを整えなが...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年05月13日 12:45

    衝撃的なトレードを成立させたのは、横浜DeNAベイスターズと福岡ソフトバンクホークス。両球団が「山本祐大と尾形崇斗、井上朋也の交換トレードが成立したこと」を発表したのだ。「DeNAは山本という正捕手の放出、それもシーズン中のトレードだったの...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/5/12発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク