芸能

ビートたけしの名言集「銀行強盗が犬に追われるつまんねー映画」

「おい、こないだあれ観たぞ」

 最近、“ネットフリックスでの映画鑑賞熱”が高まっている殿は、会うたびに冒頭の言葉に続けて観た作品の報告をしてきます。

 つい先日も、こんなやりとりがありました。

「おい、あれ観たぞ。ほら、女がダンナをハメて逃げるやつ」

「女がダンナをハメて逃げる映画ですか?」

「ほら、女の親が絵本作家か何かで、子供の頃、絵本のモデルでよ。ダンナに殺されたように見せかけて、失踪するやつだよ」

「あっ、『ゴーン・ガール』(14年公開)ですか?」

「おう。あれ、けっこうよくできてて、面白かったよ」

 で、なぜにこんな他愛もない師匠と弟子の会話をていねいに記しているかといいますと、殿は本当に映画をあまり観ない方であり、ましてや、原作がイヤミス(観ると嫌な気持ちなるミステリー)として話題になった、バリバリのミステリー映画というジャンルを、自宅で普通に観ている今の状況が大変新鮮で、わたくしには“それ”だけでなかなかの事件に思えてならないのです。その後も殿は、

「あと、あれも観たぞ。デニーロが天井からあり得ないやり方で倉庫に入って、水圧で金庫を爆発する映画。あれはちょっとやりすぎだな。無理があるよ。あんなにうまくいかねーだろ」

 と、続けたのです。

 ちなみに、その映画はわたくしが半年程前、偶然にケーブルTVで観ていたため、すぐに判明いたしました。01年公開の「スコア」という映画です。

 で、この日の殿は、まだまだ終わらず、

「そうだ。つまんねーのも観たぞ。なんか3人組の銀行強盗が逃げ込んだ倉庫に犬がいてよ。その犬に延々と追われる話なんだよ。これが死ぬほどつまんないんだ!」

 さすがに、この映画はわたくしも皆目見当がつかず、ただ黙ってうなずいていると、殿はさらに、

「犬に追われる描写があるんだけど、犬が銀行強盗を追っかけるだろ。だけど、その距離がどう見てもすぐに追いつきそうな距離なんだよ。それなのにギリギリで逃げ切ってドア閉めて『あ~助かった』なんてやってんだよ。ウソつけってんだ!」

 一人盛り上がる殿。が、周りはまだ誰も何の映画かわからず、静かにうなずくばかりです。それでも殿はお構いなしに、

「とにかく犬から逃げ回るんだけど、全然盛り上がっていかねーんだよ。だけど、いくら何でも、こんなつまらないままで終わらねーだろと思って観てたら、ほんとに盛り上がらないまま終わっちゃったんだから。何だよ、あれは! 忙しいのに観ちまったじゃねーか!ちきしょっ!

 と、とにかく失望した胸の内を切実に訴えていました。ということで、殿が最近観た映画は「ゴーン・ガール」と「スコア」、それと、とにかく銀行強盗が犬に追い掛け回される謎の映画の3本です。取り急ぎ、ご報告まで。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
これはアキレ返る!「水ダウ」手抜き企画は放送事故級の目に余るヒドさだった
2
決別必至!「立浪監督VS中田翔」中日ドラゴンズ冷戦勃発「我慢の限界」発火点
3
【ボクシング】井上尚弥「3階級4団体統一は可能なのか」に畑山隆則の見解は「ヤバイんじゃないか」
4
リストラされる過去の遺物「芸能レポーター」井上公造が「じゅん散歩」に映り込んだのは本当に偶然なのか
5
また出た!広島カープに「ベテラン選手の不倫デート発覚」下半身コンプライアンス崩壊