実は、使用済み核燃料の最終処分場を巡っては、建設候補地の極秘調査が繰り返し行われてきている。事実、旧動燃(旧動力炉・核燃料開発事業団)が86年から88年にかけて実施した調査では、北は北海道から南は鹿児島県まで、実に88カ所もの候補地がリストアップされている。
旧動燃は経産省や東電の肝いりの団体。05年に独立行政法人・日本原子力研究開発機構に統合されたが、この時、市民団体の訴訟によって情報開示された候補地リストを見ると、福島県では以下の15町村に「適正地区」として白羽の矢が立てられている。
飯舘村、大熊町、表郷村、川内村、川俣町、白河市、棚倉町、富岡町、浪江町、楢葉町、塙町、原町市、双葉町、都路村、矢祭町。深刻度に差はあるものの、いずれも福島原発事故で放射能被害を被った自治体だ。
では今回、経産省と東電がくだんの計画で最終処分場の建設候補地にと狙っている自治体はどこなのか。
「経産省と東電の計画担当者は、原発事故の起きた中心部とその周辺を『爆心地』と呼んでいる。大きな声では言えないが、爆心地は放射能汚染のレベルが半端ではなく、向こう何十年にもわたって工事などできない地域。したがって、最終処分場の候補地は爆心地以外の地域からということになります」
こう打ち明けるのは、計画に携わる経産省幹部。だが爆心地以外の地域は、そう遠くない将来、住民が帰還を果たすことになっている土地ではないのか。この幹部が続ける。 「処分場建設地の条件は、放射能汚染が爆心地ほどひどくはないが、除染をしても住民が20年は戻れない地域。別の言い方をすれば、建設工事はできても、人は住めない地域です。この条件にピタリと該当するのは、爆心地から離れたホットスポット。ズバリ、飯舘村と浪江町です」
両者は今、国から「計画的避難区域」に指定されている。計画的避難区域は福島第一原発から20㌔以上離れてはいるが、事故発生から1年間の積算放射線量が20㍉シーベルトを超える地域。南相馬市や川俣町の一部なども同区域に指定されているが、前出の経産省幹部は、
「一部とはいえ住民が戻って来る場所には、とてもではないが政治的にも道義的にも処分場など建設できない。やはり候補地は全滅の自治体。20年も立入禁止が続けばそのうち住民も諦める、という読みです」
こう言い放って、はばからないのである。
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