社会
Posted on 2017年07月12日 09:55

実録・東京電力「福島原発コールセンター」の闇(2)ストレスで離職者も多数

2017年07月12日 09:55

 翌週から、TL(テーエル)の指示に従い、実践的な研修が始まる。TLはチームリーダーの略、昔で言う係長と同等の役職だ。派遣社員同士で電話の受け答えの練習をするロールプレイや、ベテランオペレーターのリアルタイムの会話を聞くモニタリングなどを行う。

 電話を取るようになるまでには、3カ月くらいかかると言われていた。膨大な賠償内容からいって、それが妥当だと思った。

 ところが実際には、1週間ほどで、電話を取った。

「たいへんご迷惑をおかけしております。東京電力ホールディングス、福島原子力補償相談室、フカブエでございます」

 それがオープニングトークである。東電は加害企業であるから、「お電話ありがとうございます」とは言わない。緊張で声が震えた。原発事故の被災者にライターとして話を聞いたこともあったが、今は加害者の東電として応じているのだ。TLがモニタリングして指示してくれるので、そのとおりに答えていたら、会話は終わった。内容については、まるでわからなかった。

 そこから、ベテランオペレーターにモニタリングしてもらいサポートを受ける形になる。ベテランたちは親切な人ばかりで、終わったばかりの会話の内容を解説してくれる。

「こうやって一生懸命教えてあげてるんだから、絶対に辞めないでね。一緒に入ってきた同期なんか、もう私しか残ってないんだから」

 そんなふうに付け加えるベテランもいた。加害企業として応対するわけで、会話のちょっとしたミスからでも、相談者は怒りだす。そんなストレスから、離職していく者も少なくない。

 オペレーターは、30代から60代と幅は広いが、高年齢が多い。ほとんどはごく普通のルックスだが、パンクロックでもやっていそうな、スキンヘッドの男性もいる。通勤時には大きなヘッドホンをしているから、本職は音楽関係なのか。化粧が水商売風な女性も目立つ。これも本職だけでは食べられないというケースか。別のスキンヘッド男性は、ヒゲを蓄えていてヤクザ風だ。これも本職は‥‥いや暴力団から更生した男性かもしれない。

深笛義也(ジャーナリスト)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2022年07月05日 17:58

    可愛さ余って憎さ百倍。いやはや、この2人のバトルは本当にすさまじかった。沢口靖子が主演したNHK連続テレビ小説「澪つくし」や、渡辺謙主演の大河ドラマ「独眼竜正宗」の脚本を手掛け、飛ぶ鳥を落とす勢いだった脚本家のジェームス三木氏。ところが19...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年07月31日 06:45

    堺雅人主演ドラマ「VIVANT」(TBS系)が3年ぶりの続編でも、圧倒的な存在感を放っている。第2シーズンの初回放送は、平均世帯視聴率18.8%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録。放送中にはXで世界トレンド1位になった。前作は2023年...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年08月06日 17:00

    2024年7月に停車中のロケバス内で共演者の女性に性的暴行をしたとして、不同意性交と不同意わいせつの罪に問われたのは、元お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二被告だ。その第6回公判が8月5日に東京地裁で開かれ、検察側は懲役7年を求刑。...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/8/4発売
    ■690円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク