9月30日、橋下知事が代表を務める「大阪維新の会」が提案した職員基本条例案と教育基本条例案などを、大阪市議会は審議ナシで否決。即廃案とした。
「この条例案は、教員の懲戒規定を明確化したり、首長が設定した目標を実現する責務を果たさない教育委員を罷免できる条文があり、問題だらけの条例案でした。『維新の会』は市議会では過半数を占めていないので、否決される可能性は高かったわけですが、条例案を門前払いにするのは異例中の異例。橋下知事の不人気が深まりつつある潮目の変化を反橋下派の市議たちが察知して、攻勢に出たのでしょう」(ジャーナリスト)
一方、「維新の会」が過半数を占める府議会でも、同条例案は提出されている。が、日を追うごとに、批判の声が高まっているのだ。「教育委員が声を上げたのに続き、大阪府総務部も『維新の会』に対して、職員基本条例案の違法性や問題点を687項目にわたり列挙した質問状を送付しました。府民の間でも、この独裁的な条例案への批判が高まっています」(前出・記者)
この逆風の中、橋下知事が断行したのが、「兄貴分」である紳助への「盃返上」だったのだ。
ある府政関係者が言う。
「紳助さんが引退した直後に、橋下知事はメールを送ったことを明らかにしましたが、ついに紳助さんへのメールや電話をやめたそうです。不人気の原因の一つを切り捨てたのでしょう」
9月22日の会見で、橋下知事は「公選区長に予算編成権を与えるかどうかの一点だ。ここさえ折り合いがつけばタッグが組める」と平松市長との休戦を匂わせるような発言をしていた。
ところが、「盃返上」の効果なのか。その後は再び主戦論へと傾いている。「首長連合主催のシンポジウムで、橋下知事と平松市長の討論を行い、和解の道を探ろうとしていたのですが、9月30日に橋下知事は日程の調整がつかないとして出席を拒否したのです」(前出・記者)
まさに、〝手打ちの盃〟など飲めるわけがないということなのだ。
紳助親分との盃を水に流し、一本独どっ鈷こで行く覚悟を決めた橋本知事。はたして、この秋の「最終抗争」を勝ち抜くことができるのか。
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