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記事全文を読む→ビートたけしの名言集「お前、俺の映画に何本か出てたよな?」
つい先日、土曜夜の生放送を終えて衣装から私服に着替え、ルーティーンとなる“帰宅直前のトイレ”から出てきた殿が「明日は何もねーか?」と、わたくしに聞いてきたのです。
この場合の「何もねーか?」は“明日はWOWOWでUFCの生中継はねーのか?”といったことを指し、ほぼ毎週聞いてくる質問だったりします。で、翌日は中継がないことを伝えると、殿は残念そうに「しょうがねーな」とつぶやき、とことこエレベータへと歩き出したのです。が、歩き出してすぐ「そういえば、お前、俺の映画に何本か出てたよな? お前、何の映画に出てたっけ?」と、なぜか唐突に「アル北郷の北野映画出演履歴」を尋ねてきたのです。予期せぬピンポイントの質問にびっくりしながらも、一気にテンションの上がったわたくしは「殿、何気に僕は北野映画に8本出てるんです!」と、どの役も小さいとはいえ、北野映画常連組の役者さんと比較しても、きっと多数の出演を果たしていると言って差し支えない事実を、やや得意気にお伝えすると、殿は「プハッ!」と一度吹き出したあと、「お前、そんなに俺の映画出てたのか?」と驚いたのです。
「殿、寺島進さんと遜色のない8本出演です」と、念を押すと、「プハッ!」とまたしても吹き出した殿は「そうか? だけど、あんまり記憶ねーな。お前、何から出てたっけ?」と、なんとも悲しい返事が返ってきたのですが、怯むことなく「はい。97年に殿の付き人になってすぐ『HANA-BI』に出させてもらったのが最初で、その後は『アウトレイジ』シリーズ以外の全作品に出てるんです!」と、再度誇らし気に答えると、
「ほんとかよ! お前、『HANA-BI』のどこのシーンに出てた?」
と、殿が心の底から記憶にないといった反応を示したため、こんな応酬となりました。
「殿、お忘れですか? 盗んだタクシーを売りつけにくるタクシー泥棒の役です」
「タクシー泥棒? それどこのシーンだよ?」
「はい。スクラップ工場に盗んだタクシーを売りつけにくる役で、渡辺哲さんに『これ、盗んできたやつだろ!』って殴られる役です」
「あっ、あそこか! わかった、わかった! あの泥棒、お前だったのか?」
「はい。撮影の1日前に殿から『お前、明日、映画出るか?』って、いきなり言われて出させてもらったんです。それで殿が『お前、そのかっこが泥棒っぽくていいから、それでいいや』って言われて、全部自前の服で、そのまま出たんです」
こんなやりとりのあと、少しふざけたくなったわたくしが「いきなりの映画デビューがベネチア映画祭でグランプリを獲ったので、『これはもしかしたら、俺は平成の三船敏郎になれるんじゃないか』って思ってたんです」とボケると、殿は明らかに聞こえているのに、まったく反応することなく、すたすたとエレベーターに乗り、帰っていかれたのでした。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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