事件
Posted on 2023年04月28日 17:57

元受刑者が告白!悪質刑務官13人を生んだ名古屋「暴行刑務所」を蝕む「短期B級」の闇

2023年04月28日 17:57

 サンダルで叩く、胸ぐらをつかんで引き寄せる、アルコールスプレーを顔に噴射する、太腿を蹴り飛ばす、顔に暴行を加えてケガをさせる、暴言を浴びせるーー。

 これは名古屋刑務所で刑務官22人が受刑者3人に繰り返していた、やりたい放題の所業である。暴行の数々は21年11月から22年8月の長期にわたって行われたが、このほど名古屋刑務所は22人の刑務官のうち悪質性が高い13人を特別公務員暴行陵虐などの容疑で、名古屋地検に書類送検する方針を固めたという。

「まだ懲りてなかったのか」

 そう驚きを口にしたのは、かつて名古屋刑務所に服役していた元受刑者X氏である。実は名古屋刑務所には「前科」があったからだ。

 2001年、刑務官が消防用ホースで受刑者の肛門に放水し、直腸裂傷などによる細菌性ショックで死亡させている。翌2002年には、革手錠で腹を締め付けられた受刑者2人が死傷する事件が起きた。事件に関与し、特別公務員暴行陵虐致死罪などで起訴された刑務官ら8人のうち、7人が有罪となっている。

 いったいなぜ刑務官は、こうした行為に及ぶのか。先のX氏が、刑務所内の事情を明かす。

「刑務所は短期と長期、そしてA級とB級が組み合わさっています。短期は懲役10年以下で、長期はそれ以上。A級は初犯やカタギの者が入り、B級には累犯や暴力団員が入るようになっています。岡山や千葉は長期のAで、長期のBは徳島、岐阜、宮城、旭川などがあります。名古屋は短期B級として認識されていますね」

 X氏によれば、刑務官の態度が比較的厳しいのはA級なのだという。B級はいわゆる「刑務所慣れ」をした受刑者が多く、刑務官の生態をよく知っているからだ。それなのに、B級の名古屋で暴行は繰り返された。これはどういうことなのか。別の元受刑者Z氏が言う。

「刑務所長は刑務官たちを指導しなければならないわけですが、その指導が甘かったんじゃないでしょうか。高校、大学を出て刑務官になれば、親ほどの年齢の受刑者がペコペコするわけですから、勘違いして威張り倒すヤツもいます。ナメられたらいけないと、先輩刑務官の指図で厳しく接する場合もあるようですね」

 今回の暴行に加わった22人のうち、16人が20代から30代であり、しかも刑務官歴は3年未満だった。やはり刑務官への教育を徹底する必要があるだろう。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク