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かつて兵庫県尼崎市にあった歓楽街「かんなみ新地」が一斉閉店したと報道されたのは、2021年11月のことだ。閉鎖以降はしばらく空き家状態が続いていたが、その後、置屋のオーナー達が業態を変更。沖縄出身のオーナーが多いことから、沖縄そばの飲食店やスナックとして営業していた。
ところが昨年6月、尼崎市がかんなみ新地一帯の土地建物を取得し、更地にした後に売却すると発表。そして再びかんなみ新地を訪れてみると、新たな飲み屋がオープンしていたのだ(写真)。店にいた男性に話を聞くことができた。
「昨年12月に、今年8月までの限定でオープンさせてもらったんです。報道通り、この一帯は更地にすることが決定しているので、あくまでも一時的にです。他の店舗も今年秋ぐらいまでには立ち退きを…と言われているようですね」
この男性いわく、元オーナーだった知人から「店をやらないか」もちかけられ、安い家賃で借りられるということから、オープンに至ったという。尼崎中央商店街のすぐ近くで、立地はいい。だが、苦労もあるようで、
「今、オープンしているかんなみの他の飲み屋は女性オーナーが多いので、お客さんの入りはいい。でも男だと、なかなかお客さんが入ってこないんですよね。いまだに置屋が営業していると勘違いして入ってくる男性もいるので『女の子はいませんよ』と言うと、帰られてしまうこともあります。そういえば、僕の他にも男性オーナーの飲み屋が最近できたんですよ」
教えてもらった場所に行ってみると、つい数日前にオープンしたばかりという立ち飲み屋が。普段はサラリーマンだという男性が、同じように期間限定の副業として始めたそうだ。
束の間の盛り上がりだが、かんなみ新地の新たな風景を見て、なにやら感慨深いものを感じずにはいられなかった。
(カワノアユミ)
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