スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「FI立川」

20141113r

“スピード上位”の山崎が断然の主役

 選手が所属する級班はレースに影響する。たとえ元S級S班でも、楽な戦いはできない。

「FI立川」(11月8日【土】~10日【月】)は、13人が出走予定のS1勢が中心になるが、そのうち9人は小倉競輪祭(11月21日~)に名前がある。FIにしては豪華メンバーと言っていい。

 断然の主役は、山崎芳仁だ。今年は9月岐阜記念Vまで3度の記念優勝を飾りながら、賞金ランキングは20位にも入っていない。自粛欠場とGIでの不振に加えて、S1選手はFIの出場が多くなるからだ。

 SS班との大きな違いであり、対戦相手も同格であれば勝負を挑んでくる。SS班のように、格でレースはさせてもらえない。追い込みが増えてはいるが、器用さがあるとは言えない山崎芳には試練の時だろう。

 グランプリレーサーでSS班にも在籍した加藤慎平は、10月千葉記念で決勝戦●【5】(●は決勝レースの着順)着と好走した。持病の腰痛は「最近は、痛みはないが、寒くなる冬場にどう対応できるかです」と話していた。長くトップクラスで戦ってきただけに、簡単にはギブアップしない。

 さて、並びと展開。関東は、長島大介芦澤大輔に地元の朝倉佳弘がつけ、城幸弘兵藤一也と別線か。南関は松谷秀幸中村浩士。北日本は山崎芳─大槻寛徳萩原尚人が勝ち上がれば、さらに強力になる。西日本は、中部は大ベテラン荻原操を加藤がガード。九州は松岡貴久小野俊之野田源一小川圭二で関東と同じように2つのラインになりそうだ。他ではS1並みの得点をマークしている高原仁志が圏内。

 96期の長島と城で先行争いも、長島が取り切る。中団の松岡貴の動きに合わせて、まくり勢が仕掛けることになる。

 本命はスピード上位の山崎芳。圧巻まくりで突き抜ける。芦澤が対抗。やや決め手に欠けるものの、自力があり長島後位で脚をためれば逆転もある。九州の松岡貴と野田が互角の3番手評価だが、戦法多彩な野田は要注意だ。

 伏兵は、伊藤勝太(福島・95期)、松岡篤哉(岐阜・97期)、小岩哲也(大分・101期)の3選手。

 伊藤は今年前半、ケガに悩まされたが、立ち回りのうまさで予選は突破できる。松岡篤は前期S1、小岩は九州期待の機動型。セミファイナル止まりでは力を発揮したとは言えない。決勝戦を目標に、積極的なレースに期待したい

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能11/4発売(11/13号)より

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