芸能

タモリが番組進行を忘れSMAPが霞んだBUCK-TICK櫻井敦司の「超絶イケメン伝説」

 今秋はミュージシャンの悲報が多すぎる。

 ビジュアル系バンドBUCK-TICKのボーカル櫻井敦司さんが10月19日、横浜市内でのライブ中に倒れ、その夜に脳幹出血で帰らぬ人となった。

 脳幹とは脳の後頭部にある脳の間脳、中脳、橋、延髄と呼ばれる部位の総称で、人間の呼吸機能、視覚、バランス機能、自律神経をコントロールしている部位。脳幹を走る血管が破れて出血すると呼吸が止まり、視力も失い、人工呼吸器を装着しなければ生命は維持できなくなる。死亡率は80%を超え、残り20%の確率で命を取り留めたとしても、生命維持装置は外せず意識が戻らないなど、重篤な後遺症が残る。

 昭和の小学生の間ではプロレス技の「延髄切り」が流行したが、悪ふさげが過ぎれば、技をかけられた方は即死するか、よくて半身麻痺、あるいは意識が一生戻らぬままになる。たとえ遊びであろうと、相手の後頭部にだけは絶対に手を出してはいけないゆえんだ。

 櫻井さんと生前、親交のあった「氣志團」のボーカル・綾小路翔は公式Xアカウントで、次のように綴っている。

〈真のロックヒーローだった。ただ一つだけ。敢えて誤解を恐れずに言うならば、彼は最後までステージの上で生き続け、その死の直前までスポットライトを浴びた、真のロックヒーローだった。こんな事、誰が真似できるだろう。ずっと夢を見て安心していてごめんなさい。ずっと夢見させてくれてありがとう〉

 57歳というあまりに早すぎる死ではあるが、魔王・櫻井さんが人生最期に見た景色が、自身が作詞した「idol」の歌詞のごとく白い地獄のようなICUの天井ではなく、ファンの熱視線を浴びるライブ会場であるなら、綾小路の言う通り、ロックヒーローの本懐と言えるだろう(それにしても早い…)。

 ロックバンドに興味がない人でも、いずれもタモリが司会を務める「笑っていいとも!」や「ミュージックステーション」で、櫻井さんの魔性的な美しさにタモリが言葉を失ったシーンを覚えている視聴者はいることだろう。

 1993年11月の「Mステ」出演回では、タモリが「お顔見てると吸い込まれそうになる」「妙にあがっちゃったり」と、黒いストレートヘアの櫻井を前に舞い上がり、アシスタントの有賀さつきや共演者の和田アキ子、幼さの残るSMAP中居正広から突っ込まれた。櫻井の底なしの美しさと比べると、SMAPメンバーの存在すら霞み、そのへんの中学生にしか見えない。

 魔王のイケメン伝説は、そのルックスばかりではない。YOSHIKIと一緒に飲んでいた際、はしゃぎ過ぎて店内にいた女性客とトラブルになった時には櫻井が謝りに行ったと、同席した音楽ライターが回想している。ロック歴では20年以上も後輩のDAIGOは、櫻井さんは偉ぶることもなく、可愛がってもらったと追悼コメントを寄せている。

 死や別離を歌った耽美的な文章のセンスと佇まいは、愛息で芥川賞作家の遠野遥氏に受け継がれている。

 番組進行を忘れるほど櫻井の魅力に引き寄せられたタモリとは、今春の「Mステ」特番で28年ぶりに再会した矢先の訃報。なぜ28年間もBUCK-TICKが「Mステ」に出演できなかったのか、謎が明かされることはなかった。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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