スポーツ
Posted on 2024年02月15日 09:59

【サッカー・アジア杯総括】「中東勢の躍進」は思い違い! 日本代表に襲いかかる「アジア第2勢力」

2024年02月15日 09:59

 サッカーアジア杯は、開催国カタールが決勝でヨルダンを3-1で破り、史上5カ国目の連覇を飾って大会を終えた。

 総括すると、中東勢の躍進が目立つといわれているが、本当にそうだろうか。確かにベスト4に3チーム(カタール、ヨルダン、イラン)が進出した。開催国のカタール、FIFAランキングでアジア2位のイランが勝ち上がっただけで、そんなに不思議なことではない。

 結局、日本がイラン、イラクに敗れ、伏兵のヨルダンが決勝に勝ち進んだことで「中東勢の躍進」という言い方をしたのだろう。アジアのサッカーはそんなに大きく変わってはいない。

 ただ、東アジアに比べて、中東に勢いがあるのは事実だ。カタールでW杯が開催されたこともあるが、今回のアジア杯は元々、中国で開催される予定だった。それが「ゼロコロナ政策」を理由に、中国が辞退。その代替えとして立候補したのがカタール、韓国、インドネシア、オーストラリアだった。その中から、AFCはカタールを選んだ。

 しかも次回2027年の大会はサウジアラビア開催が決まっており、前回のUAE大会を含め、3大会連続で中東で開催される。それどころか、今年4月に開幕する、パリ五輪アジア最終予選を兼ねているU-23アジア選手権もカタールで開催され、その次の2026年の大会も、サウジアラビアでの開催が決まっている。

 そのサウジアラビアは2034年のW杯開催国に立候補しており、今年中に決定する予定だ。つまり東アジア勢は、中東のオイルマネーに全く対抗できていない。カタール、サウジアラビアに加え、近隣諸国の中東勢も勢いを増している。

 W杯の出場枠が次回の北中米W杯から、48カ国に増えたのも大きい。アジア枠が8.5と正式に発表されたのは2022年だが、48カ国と決めたのは2017年で、その段階でアジア枠が8.5になる可能性を示唆していた。

 つまり、アジアの第2勢力と言われる国々は、2026年の北中米W杯ならW杯出場のチャンスがあると考えて、強化を開始してもおかしくはない。現にカタールW杯アジア2次予選で日本に敗れたタジキスタンの監督が「我々はカタールの次の大会を目指している」と発言している。

 では、アジアの第2勢力とはどこか。UAE、イラクはもちろんのこと、今回決勝に進出したヨルダンをはじめ、バーレーン、オマーン、シリアといった中東勢に、最終予選の常連ウズベキスタン、さらに今大会最大のサプライズだったタジキスタンあたりか。

 これらの国は8.5枠の残り2枠を狙う立場で、日本と対戦する時は勝ち点1でいいからと、今まで以上に必死に得点を奪いに来る。簡単には勝たせてくれない。

 一方の日本はどうか。W杯参加国が48に増えた段階で、「W杯は出場して当たり前」「アジア予選はもうハラハラドキドキしない」という声が増えた。そうした空気は選手にも伝染する。それが今回のアジア杯での結果に繋がったのかもしれない。完全にアジアを甘くみていた。

 最終予選は完全ホーム&アウェーの長期決戦。アジア杯のようにセントラル方式の短期決戦ではないだけに、日本がW杯出場を逃すことは考えられない。ただ、楽勝で出場権を得るほど、最終予選は甘くない。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    スポーツ
    2026年09月13日 11:15

    近年のネット環境の充実によって、高い売り上げを誇る公営ギャンブル。メディアを下支えする団体としても大きな役割を担っているが、最近は風向きが変わり始めている。ギャンブルライターが現状を語る。「日本の公営ギャンブルは競馬(中央・地方)、競輪、ボ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年09月14日 13:30

    8カ月ぶりに帰ってきたバス旅で最も存在感を放ったのは、看板を背負う太川陽介ではなかった。「路線バスで鬼ごっこ~太川陽介から逃げ切れ~【茨城・水戸】」(テレビ東京系)が、9月12日午後6時30分から放送された。鬼チームは太川陽介、草薙航基、村...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク