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記事全文を読む→なんと室町時代に実在!高さ109メートルの「超高層木造建築物」が京都タワーを見下ろす位置にあった
日本にも「バベルの塔」が実在していたことを知っているだろうか。バベルの塔は「旧約聖書」の「創世記」に登場する、人間が天に届く塔を築こうとして神の怒りに触れ、破壊されてしまった伝説の塔である。
「馬鹿と煙は高いところに登る」という言葉があるが、人間は高い建物が好きだ。現在、世界一の建物(ビル)はUAEのドバイにある「ブルジュ・ハリファ」。828メートもあり、日本では東京都港区の麻布台ヒルズ森JPタワーの330メートルだといわれている。双方とも一見すれば衝撃を受ける高さだが、なんと室町時代に当時の人々の度肝を抜いた建造物があった。それが京都・相国寺の七重塔だ。
応永6年(1399年)に室町幕府の3代将軍・足利義満が建立した木造建築で、平屋だらけだった京の都にあって、人々が腰を抜かす高さだった。
それは約109メートル(360尺)といわれ、オフィスビルで約25階、マンションで約30階に相当する。同じ京都に実在し、現存する木造建築物では日本一の、東寺の五重塔が55メートルだからその2倍だ。
京都は北に行くほど標高が上がる。よく言われるのが、東寺の五重塔の先端と堀川北山の交差点の高さが同じで、七重塔があったのはほぼ今出川通り。けっこうな北側に位置する。土台が高いところに建てられた109メートルの七重塔は、現存すれば131メートルある京都タワーを見下ろす位置にある違いない。
相国寺は臨済宗の一派で、正式名称は萬年山相國承天禅寺。京都五山第2位に列せられる名刹であり、相国寺派の大本山だ。金閣寺や銀閣寺は相国寺派に属しており、あの雪舟も若い頃に修行している。
七重塔が建立されたのは、義満が自らの権力を誇示するためだ。義満は天皇に取って代わろうとし、明との貿易では自らを「日本国王」と称した、不遜極まる人物だ。
そんな人物が建てた天をつく塔を、神仏が許すはずがない。応永10年(1403年)の落雷で炎上し、再建されたが、応永13年(1406年)に再び火災で焼失した。さらに再建されたが、文明2年(1470年)の火災で完全に灰燼に帰し、その後は再建されることがなかった。
「洛中洛外図屏風」に描かれたとされる七重塔はまるで、バベルの塔。今は京都市上京区下塔之段町の付近に、跡地を示す石碑が設置されているのみである。
(道嶋慶)
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