スポーツ
Posted on 2024年06月03日 17:58

サッカーU-23「招集NG久保建英と鈴木唯人の穴埋め」アメリカ遠征ではこの「新・攻撃陣3人」を見ておけ

2024年06月03日 17:58

 パリ五輪でメダル獲得を狙うサッカーU-23日本代表が、最終メンバー18名に残るための最後のアピールの場、アメリカ遠征に出発した。

 ご存じのように、このチームの中心として期待されていた久保建英(レアル・ソシエダ)、鈴木唯人(ブレンビー)の所属クラブが「五輪招集には応じられない」と表明したため、五輪本番には不参加となった。オーバーエイジ(OA)枠の招集にも苦戦しているだけに、このアメリカ遠征は貴重な強化の場になる。

 そんな中で注目してほしいのが、復帰組でオランダリーグのスパルタ・ロッテルダムの両サイド担う、斉藤光毅と三戸舜介。そしてもうひとり、唯一の初招集となった、鹿島アントラーズ佐野海舟の弟、佐野航大(NEC・ナイメヘン=オランダ)である。

 斉藤は左サイドの仕掛け人であり、このチームに欠かせないドリブラーだ。細かいステップで緩急をつけたドリブルは、相手を混乱に陥れる。右利きの左サイドということで、カットインしてのシュートも得意。このチームが立ち上がった時から常に、主力として選ばれ続けてきた。

 横浜FC時代、高校2年生でトップチームに登録されると、各年代の代表メンバーに選ばれ続け、将来を嘱望された存在だ。19歳の冬、ベルギーリーグ2部のロンメルSKに移籍。2022年には現在のスパルタにレンタル移り、7ゴール5アシストと活躍した。

 今季は右ハムストリングの手術などで約4カ月間、チームを離れた。それでも22試合に出場して3ゴール、5アシストを記録。すでにオランダリーグの名門クラブ、イングランド2部リーグへ移籍の噂があり、確実にステップアップしている。U-23日本代表にとって、頼もしい選手が帰ってきたといえるのではないか。

 斉藤とともにスパルタでプレーする三戸は、身長164センチと小柄なドリブラーだが、圧倒的な突破力がある。一瞬でトップスピードに乗る加速力を持ち、パンチ力のあるシュートが魅力。スパルタでは右のサイドアタッカーだが、左も真ん中も問題なくこなせる。先発はもちろんのこと、ベンチスタートでも途中出場で試合の流れを変える力は十分にあるだろう。久保が招集できない今、三戸が貴重な存在になってもおかしくはない。

 初招集の佐野が最終18名に残るのは簡単ではない。それでも大岩剛監督が招集したのは、鈴木の代役を探している証左だ。

 佐野は今季からNECに移籍した。前半はベンチスタートが多かったが、年が明けた1月中旬からは全試合に先発出場を果たした。本来の中盤のポジションではなかったが、自身の良さを十分に発揮していた。

 大岩監督は佐野のポジションについて「我々のグループでは6番、8番」と、本来のポジションである中盤での起用を示唆した。彼の良さは展開力のあるパスであり、細かいテクニック。そして2列目あるいはペナルティ・エリアに入ってのシュートと、攻撃的なセンスが売りだ。初招集で戸惑うこともあろうが、自分の良さをアピールしてほしい。

 久保、鈴木が招集できない状況下、誰がU-23日本代表の攻撃を担うのか。アメリカ遠征ではこの3人を注視してほしい。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク