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記事全文を読む→阿部寛「炎上男」と大沢たかお「動かない男」誰も真似できない「俳優宇宙」の2人/大高宏雄の「映画一直線」
ベテランの実力派俳優の活躍を見るのは嬉しい。公開中の2本「俺ではない炎上」の阿部寛と「沈黙の艦隊 北極海大海戦」の大沢たかおだ。今や若手俳優の台頭が著しいが、2人の演技を見る限り、頼もしさを感じる。
阿部はSNS上に載った遺体画像が、自身のアカウントからのものとされ、その犯人と目されてしまう役だ。いわゆる炎上被害の当事者として、逃げ回る羽目になる。
50代のやり手サラリーマンだが、昭和の頑固おやじの匂いを放つ。身勝手に自分本位で生きてきた。
炎上に「何なんだよ、何なんだよ」と言い放つも、対処の仕方がまるでわからず、「逃亡犯」になってしまう。どこか、ずれている。
ところが、阿部がこのような役を演じると、ガチガチの昭和男にはならない。なぜか。一連の映画やドラマでよく知られる、ユーモアがあるからだ。阿部が独自に作り上げた個性である。
今回も、ちょっとテンポをずらすような言動、押し出しの一歩手前で踏みとどまるようなしぐさなど、映画の中の周囲の人の感じ方はともかく、映画を見る観客の側が妙にほっこりしてくる場面が多い。
長身、偉丈夫、アクの強い顔立ちなど、阿部の外見的な持ち味は、他の俳優とはまるで違う。スケールが大きく、日本の風土、風景をはみ出す。日本の地に立たせると、目立ちすぎるのだ。
これらは阿部の大きな持ち味であり、多くの映画、ドラマで共通している。その際、その持ち味がそのままストレートに出てしまうと、厄介なことになる。周囲から孤立して、独りよがりの役になってしまう。
ユーモアが、それをほぐす。「炎上」のドタバタの基盤にユーモアがあるから、頑固男だが、見る側の共感度は高くなる。後半で、代表作の「テルマエ・ロマエ」のように上半身裸になってしまうのが、また笑える。
「沈黙の艦隊」(原作:かわぐちかいじ)の大沢は、独立国「やまと」を名乗る原子力潜水艦の艦長役だ。
北極海で米国の最新鋭原潜と対峙し、戦闘状態に入る。その話の経緯は省略するが、要は大沢個人が原潜を自在に操る風に描かれ、それが戦艦バトルの迫力を一段と促す展開が見どころなのだ。
映画の中で、彼はほとんど動かない。唯一の動きは、艦内の腕立て伏せくらいか。これだけ動かない主人公は珍しい。
泰然自若然とした彼が専任スタッフの意見を聞きつつ瞬発的な言葉を発しながら、実に巧妙なバトルの指揮を執るのである。
大沢の真骨頂がここにある。多くの人が、彼の当たり役になった「キングダム」シリーズの大将軍・王騎を思い浮かべることだろう。
いささかオーバーなセリフ回し、動作など、艦長役と重なるところが多い。こちらも存在自体が、リアリズムとは一線を画した新たなリーダー役を作り上げていた。
テレビでは最近、再放送があったNHK「未解決事件」の松本清張役(松本清張と帝銀事件)も忘れ難い。長めの髪型、上段黒縁の眼鏡、口元など、松本本人に雰囲気がやけに似ているので虚実が曖昧になり、これが不思議な力感となって画面に映える。
阿部はスケールの大きさが周囲に威圧感を与えるが、そこに安住しなかった。それを覆す個性の確立が全く得難い魅力となって、役の幅を広げている。
近年の大沢は自信たっぷりに、ひたすら突進するのが持ち味だが、その突拍子のなさが、与えられた役柄を超えて新境地を築いた。
2人とも、独特の「俳優宇宙」の領域に入ってきた、と言えようか。これは他の誰も真似ができない。日本映画の最前線にいる2人であり、もっと、さらに「前進」していくと思う。
(大高宏雄)
映画ジャーナリスト。毎日新聞「チャートの裏側」などを連載。「アメリカ映画に明日はあるか」(ハモニカブックス)、「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など著書多数。1992年から毎年、独立系作品を中心とした映画賞「日本映画プロフェッショナル大賞(略称=日プロ大賞)」を主宰。2025年に34回目を迎えた。
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