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記事全文を読む→プロ野球「ゴールデン・グラブ賞」で落選した広島・矢野雅哉と小園海斗は「ポジコロの犠牲者」という悲劇
プロ野球で守備力に優れた選手を選ぶ「第54回三井ゴールデン・グラブ賞」が発表され、セ・リーグでは阪神勢が7部門を独占する歴史的な結果となった。1球団で7人の受賞は、セ・リーグ史上最多。その圧倒的な受賞ラッシュの中で、阪神勢に割って入った数少ない選手のひとりが、巨人の遊撃手・泉口友汰だ。
遊撃手部門は昨年の受賞者・矢野雅哉(広島)が本命視されていた。ところがフタを開けてみれば、泉口165票、矢野60票。山本泰寛(中日)12票、小幡竜平(阪神)7票と続き、さらに25票が「該当者なし」に投じられた。守備力の高い選手が多いだけに、記者が「誰に投票するべきか」で迷った様子が票に表れている。
「まさか自分がこの賞をいただけるとは思っていなかったので、正直、びっくりしています」
そう語る泉口は、シーズンを通して遊撃を守り切った安定感が、高い評価につながった形だ。
「同じ守備位置と守備機会で、平均的な野手と比べてどれだけ失点を増減させたか」を示す、UZR(Ultimate Zone Rating)という指標がある。平均的な野手のUZRはゼロであり、優秀な選手の数値は高くなる。ちなみに二塁手部門で受賞した阪神・中野拓夢は7.2、泉口は11.9だ。ついでにいえば、外野手部門の阪神・近本光司は9.5で、同じく森下翔太は7.4である。
矢野の「落選」には、広島の複雑な内情が絡んでいる。その守備力には定評があるものの、今季は層の薄さや故障者の影響で、新井貴浩監督が複数ポジションを回す起用を選択せざるをえなかった。いわゆる「ポジコロ」によって本職での出場が減り、本来の守備力を見せる場面は限られた。
首位打者タイトルを獲った小園海斗も、本来ならば遊撃や三塁での有力候補だった。しかしゴールデン・グラブ賞には受賞の「条件」がある。
投手=規定投球回数以上の投球、あるいはチーム試合数の1/3以上の登板
捕手=チーム試合数の1/2以上、捕手として出場
内野手=チーム試合数の1/2以上、1ポジションの守備に就いている
外野手=チーム試合数の1/2以上、外野手として出場している
今年のチーム試合数の1/3以上は「47試合以上」であり、1/2以上は「71試合以上」となる。つまり小園はどちらのポジションでも規定に届かず、選考対象外となったわけだ。
次なる標的は「ベストナイン」。こちらは打撃やチームへの総合的な貢献が評価される賞で、ゴールデン・グラブ賞とは評価ポイントが異なる。さらに1人の選手が複数ポジションで票を得ることもあり、顔ぶれが大きく変わる可能性はあろう。今年はどんな選手が選出されるのだろうか。
(ケン高田)
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